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虫酸
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むしず
ふりがな文庫
“
虫酸
(
むしず
)” の例文
旧字:
蟲酸
お母さんは、僕にまであの男を天才だと思わせたいんでしょうが、僕は
嘘
(
うそ
)
がつけないもんで失礼——あいつの作品にゃ
虫酸
(
むしず
)
が走りますよ。
かもめ:――喜劇 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
自分自身の体でありながら毛むくじゃらな腕や胸を見ると、ゾッと
虫酸
(
むしず
)
が走るのを、どうすることも出来ませんでした。
足の裏
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
でも、あたしを愛してはいたのですけれど、そうされればされる程、
虫酸
(
むしず
)
が走る程いやでいやで仕方がなかったのです
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
もつとも悪性の伝染病の心配だけはまづ無いはずですけれど、
頁
(
ページ
)
のまくれあがつた
手垢
(
てあか
)
だらけの娯楽雑誌なんか、手にとるより先に
虫酸
(
むしず
)
が走ります。
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
お通は、この大将の
泥鰌
(
どじょう
)
ひげが、いつぞやの晩のいやらしいことがあって以来、見るのも
虫酸
(
むしず
)
が走ってならなかった。
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
彼のすがすがしい
秀麗
(
しゅうれい
)
な顔が、その
瞬間
(
しゅんかん
)
わたしには、
虫酸
(
むしず
)
が走るほど
厭
(
いや
)
だったし、おまけに彼が、人を
馬鹿
(
ばか
)
にしたようなふざけた
眼
(
め
)
つきで、じっとわたしを見ているので
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
「いいってことよ」とか「べらんめえ」とか連発するが、
虫酸
(
むしず
)
が走るようで聞いていられない。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その名を聞いてさえ
虫酸
(
むしず
)
が走る程山田に悪感を持つ様になった祖母は、そんな家へ行きでも仕様ものなら一生払い落す事の出来ない「つきもの」にとりつかれて仕舞いでもするか
お久美さんと其の周囲
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
何か
虫酸
(
むしず
)
がはしるように、生理的な
忌
(
いや
)
らしさをさえ感じた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
銀子は
虫酸
(
むしず
)
が走るようで、そんな顔をしていた。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
あれから、思っただけでも
虫酸
(
むしず
)
の走る花子のことを考えると、私は絶えて春日を訪れることもなかった。
腐った蜉蝣
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
それを今、ここんとこで思い返していると、なんだかゾクゾク
虫酸
(
むしず
)
が走ってくるようだぜ。
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
窯焚きの百助は、
虫酸
(
むしず
)
の走るような眼をくれて、いきなり
側
(
そば
)
へ寄って行った。
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ハハハハハハ、
全
(
まった
)
くだわ。あんたは話せないけど可愛い可愛い人。柾木さんは話せるけど、
虫酸
(
むしず
)
の走る人。それでいいんでしょ。あんなお人好しの、でくの坊に惚れる奴があると思って。ハハハハハハハハ」
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
この話を聞いている
中
(
うち
)
に、私はまだ
既
(
か
)
つて経験したことのない、激しい不愉快さを覚えた。これが嫉妬であろうか、
虫酸
(
むしず
)
の走る、じっとしていられないいやあな感じであった。
蝱の囁き:――肺病の唄――
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
虫酸
(
むしず
)
が走るではないか。父は手もなく、あの山師坊主に乗ぜられているのだ。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
虫
常用漢字
小1
部首:⾍
6画
酸
常用漢字
小5
部首:⾣
14画
“虫”で始まる語句
虫
虫唾
虫干
虫眼鏡
虫蝕
虫螻
虫喰
虫取菫
虫気
虫籠