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虚心
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きよしん
ぐるり
一と廻して、さて自分の繪の前に立つた。眼を
半眼にして、
虚心平氣の積で熟視する。
是迄は
虚心平氣で、
健全に
論じてゐたが、一
朝生活の
逆流に
觸るゝや、
直に
氣は
挫けて
落膽に
沈んで
了つた……
意氣地が
無い……
人間は
意氣地が
無いものです、
貴方とても
猶且然うでせう
さりながら
是は
叶なふべきことならず、
仮にもかゝる
心を
持たんは、
愛するならずして
害するなり、いで
今よりは
虚心平氣の
昔しに
返りて
何ごとをも
思ふまじと、
斷念いさましく
胸すゞしくなるは