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藹々
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あいあい
ふりがな文庫
“
藹々
(
あいあい
)” の例文
武松は日を
措
(
お
)
いて、隣近所の衆を茶菓で招き、また、
嫂
(
あによめ
)
の金蓮には、
緞子
(
どんす
)
の
反物
(
たんもの
)
をみやげに贈った。——和気
藹々
(
あいあい
)
たる四、五日だった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そんなようなわけで、内外共に和気すこぶる
藹々
(
あいあい
)
たるところ、故障が起ったのは、思わぬところに隠れたる気流があるものです。
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それから和気
藹々
(
あいあい
)
たる中に各職場の苦心と労力をさらによく理解することが出来、例会より受ける功徳はじつに大きいのです。
一商人として:――所信と体験――
(新字新仮名)
/
相馬愛蔵
、
相馬黒光
(著)
それからはもう一座は和気
藹々
(
あいあい
)
となって、しばらくはなるだけ面白そうな話ばかりを誰も彼も饒舌り出した。
馬車
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
貴下の御家庭の和気
藹々
(
あいあい
)
たる情景は、世にも
羨
(
うらやま
)
しい限りであって、ああ云う御家庭なればこそ御令妹の珠のような性格が完成されたのであろうと存ずる
云々
(
うんぬん
)
。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
按察使
(
あぜち
)
の大納言
資賢
(
すけかた
)
は
和琴
(
わごん
)
を鳴らし、その子
右馬頭資時
(
うまのかみすけとき
)
は
風俗
(
ふうぞく
)
、
催馬楽
(
さいばら
)
を歌い、四位の侍従
盛定
(
もりさだ
)
は拍子をとりながら
今様
(
いまよう
)
を歌うなど、和気
藹々
(
あいあい
)
のうちに得意の芸が披露されていた。
現代語訳 平家物語:05 第五巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
極めて和気
藹々
(
あいあい
)
として、
殊
(
こと
)
に棚田判事は親友井沢判事の来訪を喜んで、病後にもかかわらず、珍しく酒盃を手にして、親しげに語り合い、井沢判事の来訪以来、同家に滞留三日間
棚田裁判長の怪死
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
蕩々
(
たうたう
)
たる空、
藹々
(
あいあい
)
たる土、洋々たる海。和風おのづからにして、麗光十方に
布
(
し
)
く。日の天にあるかくのごとく、民の仰いで
霑
(
うるほ
)
ふかくのごとく、悠久二千六百年、祝典の今日が來たのだ。
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
大東亜共栄圏確立、五十年百年の後には再び圓右が宗悦の一節に聴いたような和気
藹々
(
あいあい
)
たる洗練東京の「隣組」が新粧されていようことをせめても私は死後に望んで止まないのみである。
我が円朝研究:「怪談牡丹灯籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
藹々
(
あいあい
)
とした
和
(
なご
)
やかな家庭味とでもいうものが、さすがに教養の高い藤原氏の
住居
(
すまい
)
らしく、身をくるんでくれることだった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
当の兵部の娘さえ、笑って問題にしないくらいだから、むしろ一種の喜劇的人物の点彩を加えたようなもので、この一座の
藹々
(
あいあい
)
たる家庭ぶりの中に包まれてしまったようなものです。
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
の最後の作戦が、和気
藹々
(
あいあい
)
のうちに種々検討された。——生虜るか殺すかこんどこそ呂布の始末をつけないうちは曹操は
許都
(
きょと
)
へ退かない決心であった。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
本丸、西丸を通じて、客のいない部屋はなく、あなたで
謡
(
うた
)
うと、こなたも謡い返し、満城陽気
藹々
(
あいあい
)
であった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と諸将は、それへ見えた
道謙
(
どうけん
)
にも、座をわかって、
藹々
(
あいあい
)
とみな仲よく頬を染め合った。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひとくちにそれをいえば、「
陽気
(
ようき
)
」というものである。いかなる
艱苦
(
かんく
)
や悪戦のなかでも、その「陽気」なものと、全軍一家族といったような和気の
藹々
(
あいあい
)
と
醸
(
かも
)
されていることだった。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一時はどうなることかと恐れ、また彼らの体臭に近づきかねていた男女も、みるみるうちに、彼らのとぼけや冗談に巻きこまれて、舟は和気
藹々
(
あいあい
)
な
囀
(
さえず
)
りを乗せて、大河の午後をなお
溯
(
のぼ
)
っている。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
椎茸たぼが、酔って、はしゃぎ初めたり、和気
藹々
(
あいあい
)
である。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
両者の会見は、和気
藹々
(
あいあい
)
たるものであった。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
藹
漢検1級
部首:⾋
19画
々
3画
“藹”で始まる語句
藹
藹山
藹然
藹軒