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薄気味悪
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うすきみわる
一つずつ
数えたら、
爪の
数は、百
個近くもあるであろう。
春重は、もう一
度糠袋を
握りしめて、
薄気味悪くにやりと
笑った。
凄然たる
月、
塀の
上の
釘、
監獄、
骨焼場の
遠い
焔、アンドレイ、エヒミチはさすがに
薄気味悪い
感に
打たれて、しょんぼりと
立っている。と
直後に、
吐とばかり
溜息の
声がする。
鼻の
穴が
開きッ
放しになる
程吸い
込んでいた
春重は、ふと、
行燈の
芯をかき
立てて、
薄気味悪くニヤリと
笑った。
ぱっと、
漆盆の
上へ
欝金の
絵の
具を
垂らしたように、あたりが
明るくなった。
同時に、
春重のニヤリと
笑った
薄気味悪い
顔が、こっちを
向いて
立っていた。