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葦間
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あしま
ふりがな文庫
“
葦間
(
あしま
)” の例文
櫓幅
(
ろはば
)
いっぱい、舟は水を切って行く。みるまに
葦間
(
あしま
)
の火光もわめきも遠くにおいて、辺りは
大江
(
たいこう
)
の水満々とあるばかりだった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
葉子は後ろを振り返って見た。紫色に暮れた砂の上に木部が舟を
葦間
(
あしま
)
に
漕
(
こ
)
ぎ返して行く姿が影絵のように黒くながめられた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
葦間
(
あしま
)
を出たりはいったり、仏にたむけた
香華
(
こうげ
)
のけむりを
艫
(
とも
)
のあたりにそこはかとなくなびかせながら、わびしいその土左舟が右へ左へ行き来するさまは
右門捕物帖:34 首つり五人男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
暮れゆくそらに心細くなりしわれは、はやかへらむといへど、聴かずして
漕出
(
こぎい
)
で、岸辺に添ひてゆくほどに、人げ遠き
葦間
(
あしま
)
に
来
(
きた
)
りしが、男は舟をそこに
停
(
と
)
めつ。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
流沙河と墨水と赤水との落合う所を目指して、
悟浄
(
ごじょう
)
は北へ旅をした。夜は
葦間
(
あしま
)
に
仮寝
(
かりね
)
の夢を結び、朝になれば、また、
果
(
はて
)
知らぬ水底の砂原を北へ向かって歩み続けた。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
けつけつと鳴くは何鳥あかあかと
葦間
(
あしま
)
の夕日消えてけらずや
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
いはけなき
鶴
(
たづ
)
の一声聞きしより
葦間
(
あしま
)
になづむ船ぞえならぬ
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
あわただしく飛びゆくは
鴫
(
しぎ
)
、かの
葦間
(
あしま
)
よりや立ちけん。
たき火
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
葦間
(
あしま
)
にひたる
影
(
かげ
)
青
(
あを
)
に。
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
秋告鳥
(
あきつげどり
)
の
雁
(
かり
)
鳴き渡る
葦間
(
あしま
)
のあたり、この世をわが世に泰平顔な太公望のつり船が、波のまにまに漂って、一望千金、一顧万両、伝六太鼓がいっしょにいたら、どんな鳴り音をたてて悦に入るか
右門捕物帖:19 袈裟切り太夫
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
と、瀬戸の
葦間
(
あしま
)
から
李逵
(
りき
)
と
楊林
(
ようりん
)
が救いに現われたので
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
葦
漢検準1級
部首:⾋
13画
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
“葦”で始まる語句
葦
葦簾
葦原
葦毛
葦簀
葦切
葦牙
葦垣
葦北
葦叢