能力ちから)” の例文
我は彼等のかうべなる黄金こがねの髮をみとめしかど、その顏にむかへば、あたかも度を超ゆるによりて能力ちから亂るゝごとくわが目くらみぬ —三六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
自由宗教より来る熱誠と忍耐と、これに加うるに大樅おおもみ小樅こもみの不思議なる能力ちからとによりて、彼らの荒れたる国を挽回ばんかいしたのであります。
罪のこと能力ちからのことは、とにかく浅くとも私たちの問題にはなっていることですが、この最後のものは、たいがい問題になっていません。
おさなご (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
止むな、わが名のために能力ちからある業を行ない、にわかに我をそしりうる者なし。我らに逆らわぬ者は我らに付く者なり。(九の三九、四〇)
「わが恩恵なんじに足れり。わが能力ちからは、弱きうちに全うせらるればなり。」然ればキリストの能力ちからの我を庇わんために、寧ろ大いに喜びて我が微弱よわきを誇らん。
パウロの混乱 (新字新仮名) / 太宰治(著)
耶蘇やそほど霊力れいりょくがあるなら、巳代吉の唖は屹度きっとなおる。年来ねんらい眼の前に日々此巳代吉にあらわるゝなぞを見ながら、かなしいかな不信ふしん軽薄けいはくの余には、其謎をき其舌のしばりを解く能力ちからが無い。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ただ我々の方にそれを見出すだけの能力ちからと根気とが無いだけのことではないのだろうか。
狼疾記 (新字新仮名) / 中島敦(著)
また他の能力ちからをかへりみることなしとみゆ、知るべし、我等の内部うちに燃ゆる魂、一のみならじと思ふは即ち誤りなることを 四—六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「バプテスマのヨハネが死人の中より甦ったのだ。だからこれらの能力ちからがその中に働くのだ」と言ったあいつです(六の一四)。
彼は天然物を通して神の全智全能を学び、これはこの世に臨む神の支配を通してその測りがたき智と抗しがたき能力ちからとを知る事を述べている。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
これは前の親ゆずりの罪とは反対な親ゆずりのよい能力ちからです。生まれたときばかりではありません。
おさなご (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
わが導者曰ふ、このたかぶる者比類たぐひなきジョーヴェにさからひておのが能力ちからをためさんとおもへり、此故にこのむくいをうく 九一—九三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
一方、イエス様は能力ちからが自分から脱け出たのをただちに自覚せられました。そこで立ち止まって、「我が衣に触ったのは誰か」と、見まわされた。
これエホバがその能力ちからをヨブに示すのであって、すなわち人力の到底及ばぬ所に彼の力の存することを示すのである。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
これまであった人間の能力ちからと罪とそうして希望を受けついでいるのが、私たちのいまみているところのすべての幼児おさなごです。そうしてただそれだけでしょうか。そうではありません。
おさなご (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
導者彼に、カロンよ、怒る勿れ、思ひ定めたる事を凡て行ふ能力ちからあるところにてかく思ひ定められしなり、汝また問ふこと勿れ 九四—九六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
しかして若きダルガスのこの言を実際にためしてみましたところが実にそのとおりでありました。小樅はある程度まで大樅の成長をうながすの能力ちからを持っております。
彼定命に從ひてゆく、之を妨ぐる勿れ、思ひ定めたる事を凡て行ふ能力ちからあるところにてかく思ひ定められしなり、汝また問ふこと勿れ 二二—二四
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あゝわが能力ちからよ、汝何ぞかく消ゆるや。我自らかくいへり、そは我わがはぎ作用はたらきむを覺えたればなり 七三—七五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
また汝等のちりの中なる魂がさま/″\の能力ちからに應じて異なる肢體したいにゆきわたるごとく 一三三—一三五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
是においてか聖書は汝等の能力ちからに準じ、手と足とを神に附して他の意義に用ゐ 四三—四五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)