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胸糞
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むなくそ
ふりがな文庫
“
胸糞
(
むなくそ
)” の例文
書庫と言わるる牡蠣殻のはきだめは、考えても
胸糞
(
むなくそ
)
が悪くなる。山のようにつんだ紙、インキ、なぐり書きだ。だれかがそんなものを書いたんだ。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼は、
胸糞
(
むなくそ
)
がわるくなって、ぺっと、
床
(
ゆか
)
に唾を吐いた。すると、隣りにいたイギリス人が、こっぴどい言葉で、彼の
公徳心
(
こうとくしん
)
のないことを叱りつけた。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
雑草のかげにつくばいながらじっとその
灯
(
ひ
)
を見上げていると、又してもあの、人を
小馬鹿
(
こばか
)
にしたような、賢女振った顔が眼先にちらついて、
胸糞
(
むなくそ
)
が悪くなって来る。
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
……しまったな。あの課長とやら班長とやらの煙草屋でも亦みんなして買えばよかった。お前達ももうこれでこことはおさらばだから、最後の
胸糞
(
むなくそ
)
おさめに、丁寧な釣銭を
親方コブセ
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
人間は、この世の中で、もっと
胸糞
(
むなくそ
)
の悪くなるようなものを、いくらも
呑
(
の
)
み込んでいるんだ。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
▼ もっと見る
「折角だがお任かせ出来ねえね。この向う
疵
(
きず
)
は承知しても
他
(
はた
)
の
奴等
(
やつら
)
が承知出来ねえ。
可哀相
(
かわいそう
)
と思うんなら早くあの小僧を
卸
(
おろ
)
してやっておくんなさい。
面
(
つら
)
を見ても
胸糞
(
むなくそ
)
が悪いから」
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ようやく立ち上がる時には、胃袋が妙にふくれきり、
胸糞
(
むなくそ
)
の悪い気持になり、飽き飽きしながら物足りなくて、もっとつづけたくもあればまたつづけるのが
厭
(
いや
)
でもあるのだった。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
庸三は何か
胸糞
(
むなくそ
)
の悪いような感じで、この家の気分もおよそ
解
(
わか
)
るような気がした。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
おれはこんな
腐
(
くさ
)
った
了見
(
りょうけん
)
の奴等と談判するのは
胸糞
(
むなくそ
)
が
悪
(
わ
)
るいから
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「これで太田の時の
胸糞
(
むなくそ
)
が晴れた!」と云った。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
「一日に何十回と見るたびに
胸糞
(
むなくそ
)
が悪くなるから、無い方がせいせいするよ」
すり替え怪画:烏啼天駆シリーズ・5
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼らの話や笑声をきくと、彼は
胸糞
(
むなくそ
)
が悪くなった。しかしその連中と別れるだけの力がなかった。家に帰って、自分の欲望や悔恨と差向いになるのが
恐
(
こわ
)
かった。彼は駄目になりつつあった。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「いえ、どうもせんがね。あの事件以来
胸糞
(
むなくそ
)
がわるくってね」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
胸
常用漢字
小6
部首:⾁
10画
糞
漢検準1級
部首:⽶
17画
“胸”で始まる語句
胸
胸倉
胸襟
胸算用
胸毛
胸板
胸騒
胸算
胸高
胸乳