聞糺きゝたゞ)” の例文
聞糺きゝたゞもし出所しゆつしよ明らかなれば夫までの事萬一胡亂うろんの申口ならば見世にありし百兩の金を文右衞門がぬすとりしと云懸いひかゝりて同人が所持の金子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
目科の細君がいと賢き説を立てながらも其説の当らざりしは無理に非ず、後に至りて聞糺きゝたゞせしに老人は全く左きゝなりしに相違なし
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
実父も養父も同姓同名どうみょうでござりますから種々いろ/\と調べて見ますと、上州沼田の下新田にまだ縁類も残って居りますから聞糺きゝたゞしますと、実父角右衞門は阿部伊豫守あべいよのかみ様の御家来で
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
東京に行つてからの慈海のうはさも始めは少しきいてゐたので、さうした和尚になるとはちよつと想像が出来なかつたが、段々聞糺きゝたゞして見ると、てつきりそれは慈海であるに相違ないことが段々わかつた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
相談さうだんして居る中大岡殿はばんすけ十郎建部郷右衞門の兩人より委細の事故聞糺きゝたゞされ吟味の當日たうじつまで主税之助閉門へいもんおほせ付られしにつき主税之助を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何しに来たとはおなさけねえ……わっちは九月の廿八日、背中の傷を見せた時、棄てられたおっかさんだと察したが、奉公人のめえがあるから黙ってけえって、三月越みつきごしおめえさん方の身上みじょう聞糺きゝたゞして
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
傍邊かたはらより弟彦四郎是も漸く十二歳なるが進出すゝみいでわたしも參り兄と一所に委細ゐさい聞糺きゝたゞし母樣の御心をなぐさめんと申せば母は兄弟の孝心かうしんを喜び父樣が世にいまして此事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)