羿げい)” の例文
いはく、ひだりよ。羿げいすなはちゆみいてて、あやまつてみぎにあつ。かうべおさへてぢて終身不忘みををはるまでわすれずじゆつや、ぢたるにり。
術三則 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
曲りたる矢にては羿げいも射て中てんこと難かるべく、飛騨の大匠たくみ鰹節小刀かつぶしこがたなのみにては細工に困ずべし。
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
彼の家の近くに住む一商人はある夜紀昌の家の上空で、雲に乗った紀昌がめずらしくも弓を手にして、いにしえの名人・羿げいと養由基の二人を相手に腕比べをしているのを確かに見たと言い出した。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
羿げいは弓の名手であり。ごうは大船をゆり動かすほどの大力でありましたが、いずれも非業の最期をとげました。しかるに、しょくとは自ら耕作に従事して、ついに天子の位にのぼりました。
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
帝王ていわう世紀せいきにありといふ。あやしきをきこえたる羿げいかつ呉賀ごがきたあそべることあり。呉賀ごがすゞめして羿げいむかつてよといふ。羿げい悠然いうぜんとしてうていふ、生之乎これをいかさんか殺之乎これをころさんか
術三則 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)