まゝ)” の例文
新字:
くはしく申上げなければわかりません。勇太郎樣は亡くなつた先の御新造さんの御子さんで、今のお君さんとはまゝしい仲で御座います。
ねんばかりまへにうせたる先妻せんさいはらにぬひとばれて、いま奧樣おくさまにはまゝなるあり、桂次けいじがはじめてときは十四か三か、唐人髷とうじんまげあかれかけて
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もし世の最もおとれる人々、チェーザレとまゝしからず、あたかも母のわが兒におけるごとくこまやかなりせば 五八—六〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
奧へ入つて見ると、後添のお國は、まゝしい二番目娘お雪の部屋で、床の中に入つたまゝ、見事に喉笛をつらぬかれて死んでをりました。
今の奧樣にはまゝなるあり、桂次がはじめて見し時は十四か三か、唐人髷たうじんまげに赤き切れかけて、姿はおさなびたれども母のちがふ子は何處やらをとなしく見ゆるものと氣の毒に思ひしは
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
〔チェーザレとまゝしからず〕皇帝と爭はず
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
取締の大事な隱居は癈人で、母親はまゝしい仲、父親は義理がうるさいのと稼業に忙しいので、娘の身持などを考へてやる暇も無かつたのです。
「後添でいらつしやる、若殿樣とはまゝしい仲だが、至つておむつまじい。奧方には今年十九になる若葉樣といふ、それは/\お綺麗なお孃樣がある」
藤屋萬兵衞の後妻で、年が二十以上も違ふお乃枝のえといふのは、御新造と言はれても不思議のない若さで、一人つ子の萬吉にもまゝしい中だつたのです。
調べて見るが宜い。繼母との仲が良いか惡いか、金の要ることは無いか、騷ぎのあつた時刻に、本當に風呂に行つてゐたかどうか、まゝしい仲でも、親を
若殿時之助樣御命を縮めたいと思ふものは、當屋敷内に、まゝしい奧方お勇樣の外にある筈はない——と仰しやる
さうこたへたのは、母親のお源です。若旦那の宗太郎とはまゝしい仲ですが、精力的で押が強さうで、上總屋の奧で勢力をふるつて居ることには疑ひもありません。
「耻しいことですが、まゝしい仲の私の不行屆でございます。加納屋の總領を、あんな不身持にしてしまつて」
たつた一人の御跡取時之助樣の御壽命をのろはれ、殿御腹立ちももつとも至極だが、まゝしき仲を疑はれて生害して身の潔白けつぱくを示された、奧樣の御心中もおいたはしい。
亭主やどの連れで私にはまゝしい仲ですよ。片輪者のくせにねたみ根性が強いから、お菊位は殺し兼ねません」
「親分、——まゝしい仲には違ひないが、この女は、そんな大それたことの出來る女ぢやありませんよ」
、身に代へて守り通しました。私とはまゝしい仲のお君に渡すまでは、私は夫の遺言状を、誰にも見せずにそつとしまひ込んで、萬々一にも落度のないやうにしました
今の内儀とはまゝしい仲のお菊といふ十七になるのが、昨夜の十五夜のお月樣を見るんだと言つて、裏の物干臺に登り、どう間違つたか、足を踏み外して、逆樣さかさまに落ち
殺された小左衞門とはまゝしい仲ですが、小左衞門には本當の子がなかつたので、自分の子のやうに大事に育てて來た——と、これはお春も番頭達も、近所の衆の噂も一致して居ります。
内儀のおてるにはまゝしい仲ですが、——娘のお幾、あとは下男の磯松、これは二十五の男盛り、庭掃にははきの爺やの五十五になる與八、これは近在の百姓で、殘るのは十九になる下女のお崎だけ
「この家のお内儀さんは後添で、——死んだ娘とはまゝしい仲だつたな」
まゝしい中ですもの、それはね——」