編目あみめ)” の例文
「俺はこれを搜してゐたんだ。お吉ののどを締めたは、絹のくけ紐ぢやなくて、丈夫な眞田紐に違ひない。死骸の首には眞田の編目あみめがはつきり殘つてゐた。——お前も見た筈だ」
編針あみばりの上に、こしらへかけてゐる財布の編目あみめの上に、集中しようとした——たゞ自分の手にある仕事の事だけを考へ、膝の上にある銀色の南京玉なんきんだまと絹絲ばかりを見てゐようと思つたのである。
あつかさ編目あみめとほしてをんなかほほそつよせんゑがく。をんなかほやつれてた。おほむねむつてた。みゝもとで太皷たいこやかましいおととおふくろうたこゑとがいつとはなしにさそつたのであつたかもれぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「俺はこれを捜していたんだ。お吉ののどを絞めたのは、絹のくけ紐じゃなくて、丈夫な真田紐に違いない。死骸の首には真田の編目あみめがはっきり残っていた。お前も見たはずだ」