きよ)” の例文
むしろ純潔なる青年が、その何ものをもきよく見る善き素質から、かえって肉交を肯定しやすいからである。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
どもたちをおもひあいすることによつて、わたしはわたしの苦惱くるしみにみちみてる生涯しやうがいきよく、そしてうつくしい日々ひゞとしてすごすでせう。これはおほきな感謝かんしやであります。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
たとへば聊か気質こゝろかたよりのある人の、年を積み道に進みて心さまきよく正しくなれるが如し。遠く望むも好し、近く視るも好し。花とのみ云はんや、師とすべきなり。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
きよい心の少年の無垢むくな胸を、けがらわしい毒でよごして、何でそのようにうれしいのじゃ!」
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
そのきよい読経の声が、けがれた彼れの胸に呼び起したのは何でありましたろう。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
此の言葉の中に人間のきよさはいまも殘つてゐる
師弟の縁ほど深い、きよいものはありますまい。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)