紀元節きげんせつ)” の例文
ぐわつ十一にちまちまつつたる紀元節きげんせつ當日たうじつとはなつた。前夜ぜんやは、夜半やはんまで大騷おほさわぎをやつたが、なか/\今日けふ朝寢あさねどころではない。
二月九日にいっさいの準備をおわり、二月十一日、大日本帝国の紀元節きげんせつの日に出発することとなった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
ある日、——そうそう、あの日は紀元節きげんせつだっけ。何でも朝から雨の降り出した、寒さの厳しい午後だったが、千枝子は久しぶりに鎌倉かまくらへ、遊びに行って来ると云い出した。
妙な話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ゆびくつしてると、當日たうじつ吾等われら海岸かいがんいへつてから、丁度ちやうど九日目こゝぬかめで、かね海底戰鬪艇かいていせんとうてい試運轉式しうんてんしきさだめられたる紀元節きげんせつ前日ぜんじつである。
が、前借の見込みも絶え、父母兄弟とも喧嘩けんかをした今は、——いや、今はそれどころではない。この紀元節きげんせつに新調した十八円五十銭のシルク・ハットさえとうにもう彼の手を離れている。………
十円札 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
紀元節きげんせつ當日たうじつさかんなる光景くわうけい、つゞいて、電光艇でんくわうてい試運轉式しうんてんしき大異變だいゐへんから、今回こんくわい使命しめい立到たちいたつたまで奇譚きだんは、始終しじう彼等かれらをヤンヤとはせて、吾等われら孤島こたう生活中せいくわつちう