米俵こめだわら)” の例文
としちゃんは、はしっていって、どこからか米俵こめだわらいたのをげてきました。はらててあったとみえて、たわらしもでぬれていました。
雪の降った日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
するとそれがじつはひとりでなく、ちいさなたにしが、米俵こめだわらのあいだにはさまってついてきて、俵のなかから人間のような声で
たにしの出世 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
家のそばの神社の前に、美しい米俵こめだわらが十四—五、三角形に積み重ねてあります。米がいっぱい詰まって、きれいにくくりあげられてる、ま新しいものです。
金の目銀の目 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
馬士 (樹立より、馬をいて、あとを振向きつつ出づ。馬の背に米俵こめだわら二俵。奉納。白米。南無大師遍照金剛の札を立つ)ああ気味の悪い。真昼間まっぴるま何事だんべい。
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小さい頼母子たのもしを結んでそれをもとでに始めたのが米と酒を売る店であった。仕事場を改造してだだっぴろい店ができた。米俵こめだわら酒樽さかだるが景気よく並び、皆を豊かな気持にさせた。
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
藤太とうだ龍王りゅうおうからもらったしなは、どれもこれも不思議ふしぎなものばかりでした。米俵こめだわらはいくらおこめしてもあとからあとからふえて、からになることがありませんでした。
田原藤太 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
神社の前の米俵こめだわら
金の目銀の目 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「おとうさん、わたいはちいさいから馬をひいて行くことはできないけれど、米俵こめだわらの上にわたいをのせてくれれば地主じぬしさまのお屋敷やしきまで馬をつれてってきてあげるよ」
たにしの出世 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
この子はなにしろ水神すいじんさまのおもうだから、きっとかわったことができるのかもしれないとおもって、そういわれるままに、たにしの子を、三俵さんびょう米俵こめだわらと米俵とのあいだに
たにしの出世 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)