ははき)” の例文
ある年の冬の初め、この庭の主人あるじ一人ひとりの老僕と、朝な朝なははき執りて落ち葉はき集め、これを流れ岸の七個所に積み、積みたるままに二十日あまりちぬ。
(新字新仮名) / 国木田独歩(著)
倒れかけたるほこらには狐や宿をりぬらん、耳許みみもと近き木の枝にのりすれのりすれふくろうの鳴き連るる声いとすさまじ、木の葉を渡る風はあれど、ちりを清むるははき無ければ、蜘蛛の巣ばかり時を得顔に
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
風はなほよこしまに吹募りて、高きこずゑははきの掃くが如くたわめられ、まばらに散れる星の数はつひ吹下ふきおろされぬべく、層々れるさむさほとんど有らん限の生気を吸尽して、さらぬだに陰森たる夜色はますまくら
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
なべては時の「死」のははき ははき消しゆく
池のほとりに柿の木あり (新字旧仮名) / 三好達治(著)
なべては時の死のははきははき消しゆく
故郷の花 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)