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端々
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はしはし
ふりがな文庫
“
端々
(
はしはし
)” の例文
その
中
(
うち
)
でも一番よけいに来るのは、叔父の
上花客
(
じょうとくい
)
になっている田舎の田地持ちである事が、言葉の
端々
(
はしはし
)
でよくわかった。
鉄鎚
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と
年齢
(
とし
)
は同じほどでも女だけにませたことを云ったが、その言葉の
端々
(
はしはし
)
にもこの
女
(
こ
)
の
怜悧
(
りこう
)
で、そしてこの児を育てている母の、分別の
賢
(
かしこ
)
い女であるということも現れた。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
容儀
(
かたち
)
人の娘とは見えず、妻とも見えず、しかも
絢粲
(
きらきら
)
しう
装飾
(
よそほひかざ
)
れる様は色を売る
儔
(
たぐひ
)
にやと疑はれざるにはあらねど、
言辞
(
ものごし
)
行儀の
端々
(
はしはし
)
自
(
おのづか
)
らさにもあらざる、
畢竟
(
ひつきよう
)
これ何者と
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
また眼の前に入用のない事物や
諺
(
ことわざ
)
を覚え、一方にはまた人に耳を傾けさせる話術が進んで、国語の利用が国民の
端々
(
はしはし
)
に行き渡ったのであるが、もちろんこれは庚申の信仰が
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
時にはわが語る言葉の
端々
(
はしはし
)
に
喚
(
よ
)
びさまされて旧歓の
哀情
(
かなしみ
)
に
堪
(
た
)
えやらず、貴嬢がこの姿をかき消すこともあれど、要するに哀れの
少女
(
おとめ
)
よとかこつ言葉は地震の夜の二郎にはあらず
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
世界がどうして出来て、どうして発展したか、人類がどうして出来て、どうして発展したかと云うことを、学問に手を出せば、どんな浅い学問の
為方
(
しかた
)
をしても、何かの
端々
(
はしはし
)
で考えさせられる。
かのように
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
前者は人体の美しさの
端々
(
はしはし
)
に神秘を見る。後者は宇宙人生の間に体得した神秘を、人の体に具体化しようとする。一は写実から出発して理想に達し、他は理想から出発して写実を利用するのです。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
故は、彼こそ父が不善の助手なれと、始より畜生視して、得べくば
撲
(
う
)
つて殺さんとも念ずるなりければ、今彼が
言
(
ことば
)
の
端々
(
はしはし
)
に人がましき響あるを聞きて、いと
異
(
あや
)
しと思へり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
々
3画
“端”で始まる語句
端
端折
端書
端緒
端唄
端然
端近
端居
端倪
端艇