穴勝あながち)” の例文
むろん人間にんげんには、賢愚けんぐ善悪ぜんあく大小だいしょう高下こうげ、さまざまの等差とうさがあるので、仏教ぶっきょう方便ほうべん穴勝あながちわるいものでもなく、まよいのふかものわかりのわるいものには
隣のへやに忍んでいる時と、あまり区別のないほど落ちついた女だという事を見出した宗助は、それから推して、御米のひっそりしていたのは、穴勝あながち恥かしがって
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
紅葉はあかいといったところで、穴勝あながちに紅ばかりではないというそれだけの句である。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
ひとまへても、となりへやしのんでゐるときと、あまり區別くべつのないほど落付おちついたをんなだといふこと見出みいだした宗助そうすけは、それからして、御米およねのひつそりしていたのは、穴勝あながちはづかしがつて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)