睨合にらみあ)” の例文
互いに竜虎の争いと云おうか、呼吸いきの止るようにうーんと睨合にらみあいました時は側に居るお梅はわな/\ふるえて少しも口を利くことも出来ません。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
結局が百日鬘ひゃくにちかずら青隈あおぐま公卿悪くげあくの目を睨合にらみあいの見得みえで幕となったので、見物人はイイ気持に看惚みとれただけでよほどな看功者みごうしゃでなければドッチが上手か下手か解らなかった。
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
そのころ私達は酒など飲むことがなかったのに、銀座裏のバーへはいり(一番静かそうだから這入はいったのである)一番高い洋酒をでたらめに註文ちゅうもんして、黙って睨合にらみあっていた。
篠笹の陰の顔 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
毎度往来に出逢であうて、もとより言葉も交えず互に睨合にらみあうて行違ゆきちがうその跡で
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
わたくしいま喰殺くひころされるのは覺悟かくごまへだが、どうせぬならたゞなぬぞ、睨合にらみあつてあひだに、先方せんぱうすきでもあつたなら、機先きせん此方こなたから飛掛とびかゝつて、多少たせういたさはせてれんとかんがへたので