“瘡痍(きず)” の例文
勘次(かんじ)は彼(かれ)の輕微(けいび)な瘡痍(きず)を假令(たとひ)表面(へうめん)だけでも好(い)いから思(おも)ひ切(き)つて重(おも)く見(み)てさうして彼(かれ)に同情(どうじやう)の言葉(ことば)を惜(をし)まないものを求(もと)めたが
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
手先(てさき)の火傷(やけど)は横頬(よこほゝ)のやうな疼痛(いたみ)も瘡痍(きず)もなかつたが醫者(いしや)は其處(そこ)にもざつと繃帶(ほうたい)をした。與吉(よきち)は目(め)ばかり出(だ)して大袈裟(おほげさ)な姿(すがた)に成(な)つて歸(かへ)つて來(き)た。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼(かれ)は家(いへ)に歸(かへ)つた後(のち)瘡痍(きず)を重(おも)く見(み)せ掛(か)けようとするのには醫者(いしや)の診斷(しんだん)が寸毫(すんがう)も彼(かれ)に味方(みかた)して居(ゐ)なかつたからである。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)