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病褥
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びょうじょく
ふりがな文庫
“
病褥
(
びょうじょく
)” の例文
「……おまえにはまだ
胆
(
きも
)
にこたえまい。しかし、わしは今、心魂に徹して、半生の苦杯をなめ味わっているのだ……この
病褥
(
びょうじょく
)
の中で」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かつて
病褥
(
びょうじょく
)
にありてダンヌンチオの著作を読むや紙面に横溢する作家の意気甚だ豪壮なるを感じ、もし余にして彼の如き名篇を出さんとせば
矢立のちび筆
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
その頃母は血の道で久しく
煩
(
わずら
)
って居られ、黒塗的な奥の一間がいつも母の
病褥
(
びょうじょく
)
となって居た。その次の十畳の間の
南隅
(
みなみすみ
)
に、二畳の小座敷がある。
野菊の墓
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
長い
病褥
(
びょうじょく
)
中行きとどいた看護と金目を惜しまない手当を受けながら、数年前に死んで行った老母が「そんなことをしてよく殺されもしないものだ」
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ウェーバーの「
魔弾の射手
(
フライシュッツ
)
」を
観
(
み
)
て涙を流し、その中の美しい歌をピアノで弾き、
病褥
(
びょうじょく
)
の継父を驚かせたというが、その後ピアノの教師について学んだ時は技巧的な修業を嫌って
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
▼ もっと見る
ために平素往々
患
(
うれ
)
うる所の、
扁桃腺炎
(
へんとうせんえん
)
を誘起し、体温上昇し
咽喉
(
いんこう
)
腫
(
は
)
れ
塞
(
ふさ
)
がりて、
湯水
(
ゆみず
)
も通ずること能わず、
病褥
(
びょうじょく
)
に
呻吟
(
しんぎん
)
すること旬余日、僅かに
手療治
(
てりょうじ
)
位にて幸に
平癒
(
へいゆ
)
せんとしつつありしが
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
官兵衛は久しい間の謎をいま解きにかかったように、
病褥
(
びょうじょく
)
の中にある体の痛みも忘れていった。するとその時襖を開けて、栗山善助が
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わたくしはやっと
病褥
(
びょうじょく
)
を出たが、医者から転地療養の勧告を受け、学年試験もそのまま打捨て、父につれられて小田原の町はずれにあった
足柄
(
あしがら
)
病院へ行く事になった。
十六、七のころ
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
病褥
(
びょうじょく
)
は片づけても薬の香や
寝臭
(
ねぐさ
)
いものが漂っているのを
畏
(
おそ
)
れて、
焚香
(
ふんこう
)
のかわりに取りあえず、この一花をもってそれを
浄
(
きよ
)
めたものであろうと。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
毅堂はこの年某月背部に悪性の腫物
疽
(
そ
)
を発して
病褥
(
びょうじょく
)
に就いたので黒田家の扶持を辞した。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
孔明は
恐懼
(
きょうく
)
して
病褥
(
びょうじょく
)
を出、
清衣
(
せいい
)
して、玄徳を迎えた。彼の病室へ入ってくるなり玄徳はあわてて云った。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しきりと
咳
(
せき
)
の声がするのは、
病褥
(
びょうじょく
)
にある半兵衛が、やむなき客のため、身を起しているからであろう。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
恐らく、いつぞやの晩、
館
(
やかた
)
の
病褥
(
びょうじょく
)
にはいってから、城太郎に詳しい話を聞き
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
曹操は
病褥
(
びょうじょく
)
のうちであざ笑って
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
病褥
(
びょうじょく
)
から仰せ出された。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
病
常用漢字
小3
部首:⽧
10画
褥
漢検1級
部首:⾐
15画
“病”で始まる語句
病
病気
病人
病院
病氣
病臥
病葉
病床
病躯
病室