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疳癖
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かんぺき
ふりがな文庫
“
疳癖
(
かんぺき
)” の例文
前次様は通称を紋之丞さまと仰せられ、武張った方で、少しも色気などは無く、
疳癖
(
かんぺき
)
が起るとつか/\/\と物を仰しゃいます。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それは倉地が葉子のしつっこい
挑
(
いど
)
みと、激しい
嫉妬
(
しっと
)
と、理不尽な
疳癖
(
かんぺき
)
の発作とを避けるばかりだとは葉子自身にさえ思えない
節
(
ふし
)
があった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
権十郎
(
ごんじゅうろう
)
の真柴久次、持前の
疳癖
(
かんぺき
)
の強き殿様なれば評よし。
秀調
(
しゅうちょう
)
の淀の方、
貫目
(
かんめ
)
は確なり。小団次の矢田平、
思切
(
おもいきっ
)
て派手にこなしたれば、役者だけのことはありたり。
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
由之は、なんだ、ツマラン、という顔で、
疳癖
(
かんぺき
)
らしく、頬の肉をビクビク動かして、口をいれた。
復員殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
疳癖
(
かんぺき
)
らしかった爺の一人なんぞは、手にしていた竹箒を私たちに投げつけることさえあった。
三つの挿話
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
▼ もっと見る
此時四十二の
厄年
(
やくどし
)
、家柄も人品も不足のない人物ですが、少し
疳癖
(
かんぺき
)
の強いのが
瑕
(
きず
)
で、若い時分には、それでいろ/\問題を起しましたが、四十を越すとさすがにそれも納つて
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
自体が温和な人でも、この憤りをおさえるのは余程むずかしそうに思われるのに、ましてこの頃はだんだんに志がおごって、
疳癖
(
かんぺき
)
の募ってきたのが著しく眼に立つ
折柄
(
おりから
)
である。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
仰せを
蒙
(
こうむ
)
った三右衛門は恐る恐る
御前
(
ごぜん
)
へ
伺候
(
しこう
)
した。しかし悪びれた
気色
(
けしき
)
などは見えない。色の浅黒い、筋肉の引き
緊
(
しま
)
った、多少
疳癖
(
かんぺき
)
のあるらしい顔には決心の影さえ
仄
(
ほの
)
めいている。
三右衛門の罪
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
疳癖
(
かんぺき
)
の強い眼医者は、焼栗が
爆
(
は
)
ぜたやうに、とうと声をはずませた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
もっとも父は
疳癖
(
かんぺき
)
の強い割に陰性な男だったし、母は
長唄
(
ながうた
)
をうたう時よりほかに、大きな声の出せない
性分
(
たち
)
なので、僕は二人の言い争そう現場を、父の死ぬまでいまだかつて目撃した事がなかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あのなんの技巧もない古藤と、
疳癖
(
かんぺき
)
が募り出して自分ながら始末をしあぐねているような倉地とがまともにぶつかり合ったら、どんな事をしでかすかもしれない。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
温厚な人物がだんだん
疳癖
(
かんぺき
)
の強いわがままな性質に変わってきた。殊にこの頃は病いに垂れ籠めているので、疳癖はいよいよ
昂
(
たか
)
ぶって、あらぬことにも心を狂わすのであろう。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
少し
疳癖
(
かんぺき
)
の強いのが
瑕
(
きず
)
で、若い時分には、それでいろいろ問題を起しましたが、四十を越すとさすがにそれも納まって、近頃はなお上様家光公の側近くに仕えて重宝がられております。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
疳癖
(
かんぺき
)
が高ぶって物も云われん様子で
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
五十を少し越した筋張った神経質な武家、一刀を
提
(
さ
)
げて、
松
(
まつ
)
が
枝
(
え
)
のお組と、縁先の平次を当分に見比べた姿は、苛斂誅求で、長い間房州の知行所の百姓を泣かせた
疳癖
(
かんぺき
)
は充分に
窺
(
うかが
)
われます。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
といった葉子の声は低いながら
帛
(
きぬ
)
を裂くように
疳癖
(
かんぺき
)
らしい調子になっていた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
五十を少し越した筋張つた神經質な武家、一刀を
提
(
さ
)
げて、松が
枝
(
え
)
のお組と、縁先の平次を當分に見比べた姿は、
苛斂誅求
(
かれんちうきう
)
で、長い間房州の知行所の百姓を泣かせた
疳癖
(
かんぺき
)
は充分に
窺
(
うかゞ
)
はれます。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と聽くと、若い時は名題の
疳癖
(
かんぺき
)
で、隨分横車を押し切つて居るから、何處から怨を受けて居るか、見當も付かないと言ふ有樣、今度は赤井左門も
萎
(
しを
)
れ返つて、口をきくのもおつくふさうです。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と聴くと、若い時は
名代
(
なだい
)
の
疳癖
(
かんぺき
)
で、ずいぶん横車を押し切っているから、どこから怨みを受けているか、見当も付かないという有様、今度は赤井左門も
萎
(
しお
)
れ返って、口をきくのもおっくうそうです。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
疳
漢検1級
部首:⽧
10画
癖
常用漢字
中学
部首:⽧
18画
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疳癖玉