きん)” の例文
ところへ呉の使者として諸葛きんが来たのである。玄徳にはもう会わないうちに呉の肚は読めていた。しかし黄権こうけんがしきりと
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
依田竹谷よだちくこく、名はきんあざなは子長、盈科齋えいくわさい、三谷庵こくあん、又凌寒齋りようかんさいと號した。文晁ぶんてうの門人である。此上被うはおほひに畫いた天保五年は竹谷が四十五歳の時で、後九年にして此人は壽阿彌にさきだつて歿した。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
鄒公すうこうきん十八人、殿前におい李景隆りけいりゅうってほとんど死せしむるに至りしも、また益無きのみ。帝、金川門きんせんもんまもりを失いしを知りて、天を仰いで長吁ちょうくし、東西に走りまどいて、自殺せんとしたもう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
きんはいささかあきれた。そして夜宴のあとで、陸遜と二人きりになったとき、切に、味方の態勢と、魏の勢いとを比較して、彼の善処を促した。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、兄の諸葛瑾しょかつきんの次男、きょうをもらって養子としていた。きんは呉の重臣なので当然、その主孫権のゆるしを得たうえで蜀の弟へ送ったものであろう。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつ、せんはたいへん才童であったとみえ、建興十二年、呉にある兄のきんに宛てて送っている彼の書簡にもこう見える。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれどこれも諸葛きんの空想だけにとどまっていた。毅然きぜんたる関羽の前に、彼はそんな使者に立って行ったことすら恥かしく思わずにいられなかった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
荊州のうち長沙ちょうさ零陵れいりょう、桂陽の三郡だけを呉へ還してくれる。それなら呉の面目も立ち、きんの妻子も助けられよう
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すなわち、孔明は蜀に、兄のきんは呉に、従兄弟いとこたんは魏に。そして誕のことは余りいわれていないが、一書に
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けだし、それは、諸葛きんの顔が、人いちばい長面なので、それを揶揄やゆして笑ったのである。だが、君公の戯れなので、当人も頭をかいて共に苦笑していた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孔明と、弟の均とは、叔父の家族とともに、荊州へ移住したが——それを機に、長男きんは別れを告げて
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孔明の兄、諸葛きんは、いつも苦しい立場にあり、またいつも辛い使いにばかり向けられた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
聞くと、関羽は、毛ぶかい顔をゆがめて、さもいやしむように、きんの口もとをながめ
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きんの使いは失敗に帰した。ほうほうのていで呉へ帰り、ありのままを孫権に復命した。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すでに、兄のきんは呉に仕え、その呉主孫権そんけんの勢いは、南方に赫々かっかくたるものがある。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
諸葛きんは、呉の臣に返って、うやうやしく賓客を通し、ひょうとして、立ち去った。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところへ、大学をほぼ卒業した長男のきんが、洛陽から帰ってきた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きんは、沈黙していたが
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)