珊瑚珠さんごじゆ)” の例文
仕方がないから、珊瑚珠さんごじゆ瑪瑙めなう、水晶なんぞ、玉ばかりを多く貰つて、お金はほんの少しばかり。これでは足りないであらうと思ひながら、油屋へ戻つて來た。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
むらのはづれには「けんぽなし」といふもあつて、たかえだうへ珊瑚珠さんごじゆのやうな時分じぶんには木曽路きそぢとほ旅人たびびとはめづらしさうに仰向あうむいてきましたが
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
狗骨ひいらぎ珊瑚珠さんごじゆの様な赤い実を着けて居た。僕は手帳の上へ老人らうじんに記念として名を書かせた。「エス・ブリゲデイエ」と署名して僕に幾度いくたびも声を出して読ませた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
よるいろにそのみどりくろずみ、可愛かあいらしい珊瑚珠さんごじゆのやうなあかねむたげではあるけれど、荒涼くわうりやうたるふゆけるゆゐ一のいろどりが、自然しぜんからこの部屋へやうつされて
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)