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独木舟
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まるきぶね
ふりがな文庫
“
独木舟
(
まるきぶね
)” の例文
旧字:
獨木舟
独木舟
(
まるきぶね
)
はカーヴをまがると、樹木の生ひ繁つた河岸に沿うて馳つた。その河岸には墓地が見えて、古びた十字架が一塊り林立してゐた。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:03 怖ろしき復讐
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
玩具
(
おもちゃ
)
といっても、木の幹を
小刀
(
ナイフ
)
一本で
削
(
けず
)
って、どうやら舟の形に似せたもので、土人の
細工
(
さいく
)
物のように不器用な、小さな
独木舟
(
まるきぶね
)
だった。
チャアリイは何処にいる
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
海は高い浪の向うに、日輪さへかすかに
蒼
(
あを
)
ませてゐた。その又浪の重なつた中には、見覚えのある
独木舟
(
まるきぶね
)
が一艘、沖へ沖へと出る所だつた。
老いたる素戔嗚尊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
次第に消えて行く煙りの間から湖水の方を眺めて見ると
独木舟
(
まるきぶね
)
がおよそ十五、六隻
周章
(
あわ
)
てふためいて逃げて行く。多数の死傷者があるらしい。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
独木舟
(
まるきぶね
)
でも並べたように数えきれぬほどの鱶が群れ、浅い水底で魚体をかえすと、蒼白い腹が屈曲光を反射してガラスのようにギラリと光った。
三界万霊塔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
その鉄の斧があれば、木を倒して
独木舟
(
まるきぶね
)
や小屋を作る事が出来るし、野獣をよく防ぐ事も出来るし、又狩りをして其の獲物を殺す事も出来るからね。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
盤の一つ一つは
独木舟
(
まるきぶね
)
を差し込んだように唐突で単純に見えるが、その底は傾斜して水の波浪性を起用し、盤の突端までに三段の水沫を
騰
(
のぼ
)
らしている。
噴水物語
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
只今考えて見ますと、大阪の博物館にあります、古風の
独木舟
(
まるきぶね
)
のようなもので、
何
(
なん
)
の木か一向分りませぬ。舟といえば舟、人の二人も乗りますると、
外
(
ほか
)
に何も置く処はございませぬ。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼は
舷
(
ふなばた
)
に身を
凭
(
もた
)
せて、日に
蒸
(
む
)
された
松脂
(
まつやに
)
の
匀
(
におい
)
を胸一ぱいに吸いこみながら、長い間
独木舟
(
まるきぶね
)
を風の吹きやるのに任せていた。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私はこれを眺めた
刹那
(
せつな
)
、既に秘密の十分の九まで解決したような気持ちがした。私に何んの
躊躇
(
ちゅうちょ
)
があろう!
独木舟
(
まるきぶね
)
の
船尾
(
とも
)
へ筏を
纜
(
つな
)
ぎそれから屋根へ這い上がった。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ドニェープルの中流に一艘の
独木舟
(
まるきぶね
)
が浮かんでゐる。舳先には二人の小者が坐つてをる。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:03 怖ろしき復讐
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
そうしてその七年目の夏、彼は
出雲
(
いずも
)
の
簸
(
ひ
)
の川を
遡
(
さかのぼ
)
って行く、
一艘
(
いっそう
)
の
独木舟
(
まるきぶね
)
の帆の下に、
蘆
(
あし
)
の深い両岸を眺めている、退屈な彼自身を見出したのであった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし幸ひ午後になると、素戔嗚が昼寝をしてゐる暇に、二人の恋人は宮を抜け出て
彼
(
か
)
の
独木舟
(
まるきぶね
)
が
繋
(
つな
)
いである、寂しい海辺の岩の間に、慌しい幸福を
偸
(
ぬす
)
む事が出来た。
老いたる素戔嗚尊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“独木舟(
丸木舟
)”の解説
丸木舟(まるきぶね)または独木舟(学術用語:monoxylon、en: logboatあるいはdugout canoeあるいはdugout)は、巨木を刳りぬき一本の木で成形され、梁もしくはわずかなコベリを付ける以外付属構造物を持たない舟、いわゆる単材刳舟であるカヌーを主に指す。しかし、刳りぬき部材を前後に継いだり、左右に継いだり、刳舟の両側に舷側板を継ぎ足したり、刳った舷側に船底板を組み合わせたりと、さまざまに複材化したものも、丸木舟と呼ばれる。
(出典:Wikipedia)
独
常用漢字
小5
部首:⽝
9画
木
常用漢字
小1
部首:⽊
4画
舟
常用漢字
中学
部首:⾈
6画
“独木”で始まる語句
独木橋
独木
独木船