物屋ものや)” の例文
私は先年、秋田県の花輪はなわ町の物屋ものやたのんで、絹地きぬじにこの紫根染しこんぞめをしてもらったが、なかなかゆかしい地色じいろができ、これを娘の羽織はおりに仕立てた。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
そのとき、清吉せいきちは、ちょうど物屋ものやまえとおりかけていました。かれは、まだ十さいぐらいの少年しょうねんであります。このあさははのいいつけでようたしにいく途中とちゅうでした。
戦争はぼくをおとなにした (新字新仮名) / 小川未明(著)
私はさらに同物屋ものや茜染あかねぞめもしてもらったが、茜染あかねぞめの色は赤味がかったオレンジ色であるから、あまり引き立たないが、なんとなく上品である。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
あしつかれてあるけないのを、親方おやかたいてくれて、一けん物屋ものやはいりました。そこでにわとりにくのごはんべた。そのうまかったのが、いまだにわすれられないのでした。
春風の吹く町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その自転車じてんしゃには、物屋ものや徳蔵とくぞうさんがっていたのでした。
とびよ鳴け (新字新仮名) / 小川未明(著)