“紫根染”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しこんぞめ66.7%
しこんぞ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
花輪といえば紫根染しこんぞめ茜染あかねぞめで聞こえます。日本にとっては大切な染物ですが、このことは陸中を語る場合にあわせて述べることに致しましょう。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
南部の名といつも結ばれるものに「南部紫なんぶむらさき」があります。紫とは紫根染しこんぞめのことで、この紫で今もしぼりを染めているのは、わずか盛岡と花輪だけのようであります。共にあかねでも染めます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
私は先年、秋田県の花輪はなわ町の物屋ものやたのんで、絹地きぬじにこの紫根染しこんぞめをしてもらったが、なかなかゆかしい地色じいろができ、これを娘の羽織はおりに仕立てた。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
昔は紫の色はみな紫根しこんめた。これがすなわち、いわゆる紫根染しこんぞめである。今はアニリン染料せんりょう圧倒あっとうせられて、紫根染しこんぞめを見ることはきわめてまれとなっている。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)