紫根染しこんぞめ)” の例文
花輪といえば紫根染しこんぞめ茜染あかねぞめで聞こえます。日本にとっては大切な染物ですが、このことは陸中を語る場合にあわせて述べることに致しましょう。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
南部の名といつも結ばれるものに「南部紫なんぶむらさき」があります。紫とは紫根染しこんぞめのことで、この紫で今もしぼりを染めているのは、わずか盛岡と花輪だけのようであります。共にあかねでも染めます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
秋田の町では岩七厘いわしちりんが目にとまるが、これも町の産物ではなく北秋田郡阿仁あにの村で出来る。樺細工かばざいくも町で見かけるがこれは角館が本場である。紫根染しこんぞめはあるが、これは花輪はなわから来たのであろう。
思い出す職人 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)