すなどり)” の例文
かれその猿田毘古の神、阿耶訶あざかに坐しし時に、すなどりして、比良夫ひらぶにその手を咋ひ合はさえて海水うしほに溺れたまひき。
霞亭は黄薇くわうびに入つた後に、三原に梅を観、山南さんなすなどりを観、竹田に螢を観た。これが所謂三観である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
同志の者はすなどりをしてゐる二三の土人に出逢つて、その口からこの話を聞いた時、土人等は首を振つて、変な顔附をしました。その顔附は内々喜んでゐるといふ風に見えました。
子供は案内者に雇はれ、主人はすなどりに出でゝ在らざりしにはあらずや。用心し給へ、拿破里ナポリの海の底は、やがて地獄なりといへば。われ。否、我心を引くものは唯景色のみなり。
苅羽郡かりはこほり(越後)椎谷しひや漁人ぎよじん(椎谷は堀侯の御封内なり)ある日椎谷の海上にすなどりして一木の流れたゞよふを見て薪にせばやとてひろひ取て家にかへり、水をかわかさんとてひさしに立寄おきしを
「僕の仕事だつてすなどりに違ひないよ。」と樽野は鸚鵡返しにうなつた。
円卓子での話 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
ここには石浦というところに大きいやしきを構えて、田畑に米麦を植えさせ、山ではかりをさせ、海ではすなどりをさせ、蚕飼こがいをさせ、機織はたおりをさせ、金物、陶物すえもの、木の器、何から何まで
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
苅羽郡かりはこほり(越後)椎谷しひや漁人ぎよじん(椎谷は堀侯の御封内なり)ある日椎谷の海上にすなどりして一木の流れたゞよふを見て薪にせばやとてひろひ取て家にかへり、水をかわかさんとてひさしに立寄おきしを
この故に猿女さるめの君等はそのサルタ彦の男神の名を繼いで女を猿女の君というのです。そのサルタ彦の神はアザカにおいでになつた時に、すなどりをしてヒラブ貝に手をい合わされて海水に溺れました。