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消々
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きえぎえ
ふりがな文庫
“
消々
(
きえぎえ
)” の例文
胸の
隅々
(
くまぐま
)
に、まだその白い
膚
(
はだ
)
が
消々
(
きえぎえ
)
に、
薄
(
うっす
)
らと雪を
被
(
かつ
)
いで残りながら、細々と枝を組んで、
肋骨
(
あばらぼね
)
が透いて見えた。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
時々光を、幅広く
迸
(
ほとば
)
しらして、
濶
(
かッ
)
と明るくなると、
燭台
(
しょくだい
)
に
引掛
(
ひっか
)
けた羽織の袂が、すっと映る。そのかわり、じっと沈んで暗くなると、紺の縦縞が
消々
(
きえぎえ
)
になる。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
竜巻がまだ
真暗
(
まっくら
)
な、雲の下へ、浴衣の袖、裾、
消々
(
きえぎえ
)
に、
冥土
(
めいど
)
のように追立てられる女たちの、これはひとり、
白鷺
(
しらさぎ
)
の
雛
(
ひな
)
かとも
見紛
(
みまご
)
うた、世にも美しい娘なんです。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
段々
孤家
(
ひとつや
)
の軒が暗くなって、鉄板で張ったような
廂
(
ひさし
)
が、上から
圧伏
(
おっぷ
)
せるかと思われます……そのまま地獄の底へ落ちて
行
(
ゆ
)
くかと、心も
消々
(
きえぎえ
)
となりながら、ああ、して見ると
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これはまた学問をしなそうな
兄哥
(
あにい
)
が、二七講の景気づけに、縁日の
夜
(
よ
)
は縁起を祝って、御堂
一室処
(
ひとまどころ
)
で、三宝を据えて、
頼母子
(
たのもし
)
を営む、……世話方で居残ると……お燈明の
消々
(
きえぎえ
)
時
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
得
(
え
)
も言はれぬ其の餅を含んだ、
心
(
こころ
)
消々
(
きえぎえ
)
と成る。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
じっとみまもれば心も
消々
(
きえぎえ
)
になりぬ。
誓之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
消
常用漢字
小3
部首:⽔
10画
々
3画
“消”で始まる語句
消
消息
消魂
消化
消炭
消耗
消失
消防夫
消光
消滅