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浮々
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うきうき
ふりがな文庫
“
浮々
(
うきうき
)” の例文
その人気女優が、昔々の幼い恋の相手であったと分ると、厭人病者の彼も、少しばかり
浮々
(
うきうき
)
して、彼女が懐しいものに思われて来るのであった。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
本来ならばもう少し
浮々
(
うきうき
)
してもよかるべきところを、見受けるところ先生の
面
(
おもて
)
には一抹の憂色があって、トホンとした中にも
何処
(
どこ
)
か屈託あり気な様子が見える。
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
今までの陽気な
浮々
(
うきうき
)
した考えに、だんだん暗い影がさし始めた。彼女は思った——この眼の前に坐っている男は、私が思いを寄せていたことを知っているのだ。
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
女中達の証言によれば、志津子夫人は喜び勇んで展望台に飛出し、千束守の口ずさむ
伊太利
(
イタリー
)
の歌を聴き乍ら、
浮々
(
うきうき
)
とした心持で絵筆を走らせて居たということです。
奇談クラブ〔戦後版〕:01 第四の場合
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
金造 それがさ、今の様子では
浮々
(
うきうき
)
と、嬉しそうにしているが、あれで一人になると
鬱陶
(
うっとう
)
しい顔をして、どこを見詰めているのか、じっと眼を据えて、涙ぐんでいるんだとよ。
中山七里 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
▼ もっと見る
身も心も
浮々
(
うきうき
)
していて、
普段
(
ふだん
)
は
音痴
(
おんち
)
のぼくでも、ひどく音楽的になれたのでしょう。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
一年ぶりで兄に会えると思うと、みどりはもう心も
浮々
(
うきうき
)
として来るのだった。
亡霊ホテル
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
浮々
(
うきうき
)
とした顔はせず……
三味線
(
さみせん
)
聞こうとおっしゃれば、鼻の
頭
(
さき
)
で笑うたげな。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
他人の中へ出て、いよいよ一本立ちとなった場合、どういう結果になるものか、どうか、まだ、今日の場合、
浮々
(
うきうき
)
と配偶者のことなどに係わっていることは出来ないという考えであったのでした。
幕末維新懐古談:23 家内を貰った頃のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
無論私自身の心がこの言葉に反響するように、飛び立つ嬉しさをもっていなかったのが、一つの
源因
(
げんいん
)
であった。けれども先生のいい方も決して私の
嬉
(
うれ
)
しさを
唆
(
そそ
)
る
浮々
(
うきうき
)
した調子を帯びていなかった。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼の調子が
浮々
(
うきうき
)
したのに合せて、隣人も笑を声に出したのであった。
遺産
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
さも
浮々
(
うきうき
)
と、そんなことを受合いながらも、一つには、いい年をした
爺
(
じい
)
さんが、こうして、十八の小娘に夢中になっているかと思うと、消えて了い
度
(
た
)
い程恥しく、一こと物を云ったあとでは
木馬は廻る
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
浮々
(
うきうき
)
とその日その日を遊び暮しているばかりで、取り止めた
考
(
かんがえ
)
というものは何ひとつ持っていないのに、養子はとにかく学問にも実社会の問題にも多少の理解は持っていて、同じ新聞を読むにしても
九月一日
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
その
為
(
ため
)
だけでも
浮々
(
うきうき
)
と
皆
(
みんな
)
を
迎
(
むか
)
えるのでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
ぼくは
浮々
(
うきうき
)
と
愉
(
たの
)
しかったのです。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
浮
常用漢字
中学
部首:⽔
10画
々
3画
“浮”で始まる語句
浮
浮世
浮標
浮雲
浮彫
浮気
浮木
浮腫
浮上
浮子