永久とこしへ)” の例文
⦅さても怖ろしき刑罰を、案じたるよな人間ひとのこよ! さらば望みに委すべし。されども汝も永久とこしへに駒の背に乗りその峯に、残る覚悟を定むべし。
我はこの時ヴィルジリオがかくあさましく十字にはられ永久とこしへ流刑るけいをうくるものあるをあやしめるをみたり 一二四—一二六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
さればその永久とこしへに和睦せられざる村人の寺に穏かに葬られて眠らんよりは、むしろそのやさしき自然のまゝなる少女の手に——
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
永久とこしへ藝術たくみ」、「詩人の光榮さかえ」など云ふ文字が堪へられぬ程血を熱せしめたのに引換へて、今は、「思ひ出」、「きゆる夢」、「殘る薫り」、と云つたやうな文字が
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
そは永久とこしへせいなる自然、なれ此世このよに呼びたればなり。
(旧字旧仮名) / アダ・ネグリ(著)
永久とこしへと消えゆく水の白波を一つのことと思はるべしや
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)
観世音は永久とこしへにうらわかい町の処女に依ていつがれ
水郷柳河 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
つめたき人は永久とこしへのやらはれ人とおとし憎まむ。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
人間は永久とこしへうらわかき母の慈愛に育ちゆく。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
世は去り世はきたる 地は永久とこしへ長存たもつなり
火の踵 (新字旧仮名) / 原民喜(著)
天を見るを望むなかれ、我は汝等をかなたの岸、永久とこしへの闇の中熱の中氷の中に連れゆかんとて來れるなり 八五—八七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
往古の木曾の關門とも稱すべき風情ある驛舍の景は、永久とこしへにわが眼に映ぜずして終らざるべからず。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
觀世音は永久とこしへにうらわかい街の處女に依ていつがれ
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
つめたき人は永久とこしへのやらはれ人とおとし憎まむ。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
我等ながめて、永久とこしへ
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
我は第三のひとやにあり、こは永久とこしへの詛ひの冷たきしげき雨の獄なり、そののりさがとは新なることなし 七—九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
潤色する。けれど自然は果して六千年の歴史の前に永久とこしへに降伏し終るであらうか
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
いのちのしらべ永久とこしへ
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
否、母うへは永久とこしへ
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
子よ、汝既に一時ひとときの火と永久とこしへの火とを見てわが自から知らざるところに來れるなり 一二七—一二九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
たか権威ちから永久とこしへ
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
まことの信仰は永久とこしへの國の使者等つかひたちに播かれてすでにあまねく世に滿ちたりしに 七六—七八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)