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棄
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ちゃ
ふりがな文庫
“
棄
(
ちゃ
)” の例文
「まあ/\、何とかそこのところを都合つけてくれ。この通りもう腰が立たないんだから、
打
(
う
)
っ
棄
(
ちゃ
)
って置けば凍え死んでしまう」
一年の計
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
と大きな声で怒鳴りながら、
忽
(
たちま
)
ち鬼のような顔になって袋も何も
打
(
う
)
っ
棄
(
ちゃ
)
って、あと引かえして追っかけて来た。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
果してその
中込
(
なかごめ
)
礼子という、婦人に宛て送るつもりで書いたのか、書き終ったら気が変って、そのままうっ
棄
(
ちゃ
)
って置いたのか? それともこれを下書きにして
仁王門
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
すると奴は、僕は文明に害われたとか、僕はしょせんルーヂンに過ぎないとか言いわけをするにきまっている。あんな男は打っ
棄
(
ちゃ
)
ってしまい給え、頼むよ。泥んこから身を引き給え。
決闘
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
打
(
う
)
っ
棄
(
ちゃ
)
って、
伊太利
(
イタリイ
)
に肉迫した、必死の力漕には、
凄
(
すさ
)
まじいものあり、すでに、英伊二
艘
(
そう
)
とも、ゴオルに着いているだけ、外国人は、
無駄
(
むだ
)
な努力に必死な、ぼく達を
呆
(
あき
)
れてみていたらしい。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
▼ もっと見る
これは打っ
棄
(
ちゃ
)
って置くべきことでないと思ったのであります。
幕末維新懐古談:69 馬専門の彫刻家のこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
しかし旅先で困っているものを
打
(
う
)
っ
棄
(
ちゃ
)
っても置けないじゃないか? 俺は何も兄の不始末を
匿
(
かく
)
す気じゃない。そんな他人行儀はしない積りだ。
或良人の惨敗
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
嬶
(
かかあ
)
や小供が死んでも
矢張
(
やっぱ
)
り酒を飲んだ。
家
(
うち
)
が火事になっても、
打
(
う
)
っ
棄
(
ちゃ
)
っておいて酒を飲んでいた。
嬉
(
うれ
)
しいと云っちゃ飲んだ。悲しいと云っちゃ飲んだ。
昨日
(
きのう
)
も飲んだ。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
荷揚げ機
(
デレッキ
)
やブルドーザーなぞも
打
(
う
)
っ
棄
(
ちゃ
)
られたまま、工事半ばの立ち腐れを見せているのです。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
打
(
う
)
っ
棄
(
ちゃ
)
って置いたということは何とも済まない。
幕末維新懐古談:37 鋳物の仕事をしたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
こっちからも汽車が来る。
打
(
う
)
っ
棄
(
ちゃ
)
っておけば、衝突するにきまっている。
芝居狂冒険
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
見るとそこ等には誰も
居
(
い
)
ませんで、直ぐ前の横路地に、香潮の姿を見て逃げ出して行った果物屋の婆さんが、逃げかけに打っ
棄
(
ちゃ
)
って行った灰色の大きなマントと、黒い覆面の付いた茶色の頭巾と
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
棄
常用漢字
中学
部首:⽊
13画
“棄”を含む語句
打棄
放棄
自暴自棄
抛棄
棄置
自棄
聞棄
呼棄
焼棄
見棄
脱棄
投棄
破棄
揚棄
言棄
棄恩入無為
掛棄
切棄
棄賣
棄措
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