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格子目
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かうしめ
壁を
塗る
時格子目から
内側へ
捲くれ
出た
泥の一つ/\がだん/\に
白つぽく
乾いて
明るく
成つた
時勘次は
又内側から
塗つて
捲れて
出た一つ/\を一
帶に
隱した。
さういふ
間に
卯平は
鉈で
篠を
幾つかに
裂いて
柱と
柱との
間へ
壁の
下地に
細かな
格子目を
編んで
居た。
篠は
東隣の
主人から
請うて
苦竹に
交つたのを
後の
林から
伐つたのである。