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松葉杖
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まつばづえ
ふりがな文庫
“
松葉杖
(
まつばづえ
)” の例文
一本松を背景にして、
松葉杖
(
まつばづえ
)
によりかかった先生を十二人の子どもたちが、立ったり、しゃがんだりしてとりまいている。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
青年は遠くの空を見やって
咳
(
せき
)
をした。それから、苦しそうに
松葉杖
(
まつばづえ
)
を突いて、頭を振りながら池の
畔
(
ほとり
)
を廻って立去った。
春いくたび
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼は、すこぶる長身であったが、
松葉杖
(
まつばづえ
)
をついていた。右足が、またのあたりから足首まで、板片をあて、
繃帯
(
ほうたい
)
で、ぐるぐると、太くまいてあった。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
墓地の門の前に、ひとりの年とったこじきが、
松葉杖
(
まつばづえ
)
にすがって、立っていました。ヨハンネスは、持っていたシリング銀貨を、のこらずやりました。
旅の仲間
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
どういうわけだか片足に
繃帯
(
ほうたい
)
まいてわざわざ
松葉杖
(
まつばづえ
)
に
縋
(
すが
)
りながら渋面つくって通うような愚かなこともしたという。
篠笹の陰の顔
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
無能な精神の
松葉杖
(
まつばづえ
)
を捨て去り、自分で考える労を避けて他人の思想中に
臥
(
ふ
)
すような人々の怠惰のためにできてる、その
臥床
(
ふしど
)
を捨て去らねばならなかった。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
松葉杖
(
まつばづえ
)
を
衝
(
つ
)
いて歩く
恢復
(
かいふく
)
後の姿を想像したりもしたことであったが、実際は、そのほんの二三時間のあいだだけ、
纔
(
わず
)
かに病人は安静を得ていたのであった。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そして、ある夕方、よわよわしい赤い夕日の道を、ながいかげをひきながら、
松葉杖
(
まつばづえ
)
にすがって、ちんぎりちんぎり、やってくるひとりの男のすがたが見えました。
丘の銅像
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
この乗り物が町の四つ
角
(
かど
)
に来たとき、そのうしろから
松葉杖
(
まつばづえ
)
を突いた立派な
風采
(
ふうさい
)
の青年がやって来て追い越そうとした。袴をはいているが見たところ左の足が無いらしい。
藤棚の陰から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
ああ、このひとも、きっと不幸な人なのだ、不幸な人は、ひとの不幸にも敏感なものなのだから、と思った時、ふと、その奥さんが
松葉杖
(
まつばづえ
)
をついて危かしく立っているのに気がつきました。
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
或る日、彼女は、昔は
其処
(
そこ
)
に水車場があったと私の教えた場所のほとりで、
屡
(
しば
)
しば、背中から
花籠
(
はなかご
)
を下ろして、
松葉杖
(
まつばづえ
)
に
靠
(
もた
)
れたまま
汗
(
あせ
)
を
拭
(
ふ
)
いている、
跛
(
ちんば
)
の花売りを見かけることを私に話した。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
お寺の戸口のところに、めずらしいながいひげをはやした年よりの兵隊が、
松葉杖
(
まつばづえ
)
にすがって立っていました。
赤いくつ
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
途中
(
とちゅう
)
でバスがとまり、女先生をおろすとまた走っていった。
松葉杖
(
まつばづえ
)
によりかかって、みんなをまっていた先生は、そばまでくるのをまたずに、大きな声でいった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
曾呂利は、
松葉杖
(
まつばづえ
)
をついて、階段を四、五段のぼっていた。ニーナ嬢が、勢よくというより、少しあわて気味に足早におりて来たため、あっという間に、二人は下にころげおちた。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それは
余人
(
よじん
)
ではなく、
松葉杖
(
まつばづえ
)
をついた醤だった。
戦時旅行鞄:――金博士シリーズ・6――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“松葉杖”の解説
松葉杖(まつばづえ)は、足が不自由な人の歩行を補助するための福祉機器、歩行補助機器。
嘗ては木製の物が主流だったが、重量がある上に劣化・破損しやすいため、現在はアルミ製などの製品が主流となっている。
(出典:Wikipedia)
松
常用漢字
小4
部首:⽊
8画
葉
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
杖
漢検準1級
部首:⽊
7画
“松葉”で始まる語句
松葉
松葉屋
松葉牡丹
松葉燻
松葉越
松葉独活
松葉宿
松葉町
松葉形
松葉掻