“束(つかね)” の例文
医(い)をまねきて薬(くすり)など与(あた)へしがそのしるしもなく、両親(ふたおや)はさら也、あたりよりはせよりしものどもゝ娘の側(そば)に在(あり)てなみださしぐみつゝ手(て)を束(つかね)て死(し)を俟(まつ)のみ也。
一度翻(ひるがえ)りて宇宙の大道に従い、手足を労し額に汗せば、天は彼をも見捨てざるなり、貧は運命にあらざれば我ら手を束(つかね)て決してこれに甘(あまん)ずべきにあらず、働けよ、働けよ
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
父下人(げにん)を召(よ)うで、『樹の楚(いばら)をあまた束(たば)ねて持ってこい』というて、その束(つかね)を執って、数多(あまた)を一つにして縄をもって思うさま堅う巻きたてて子どもに渡いて『これを折れ』という
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
土人一に馬鹿谷(ばかだに)といふ。城主より撫院迎接の為に山上に茶亭を作る。皆松枝(まつがえ)青葉を束(つかね)て樊籬屋店(はんりをくてん)を作る。欽明寺坂を下りて四里久賀本郷駅なり。駅の南に嵯峨として聳たる嶺見ゆ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
服部(はとり)手に取る糸一束(つかね)。