未曾有みそう)” の例文
新字:未曽有
又この未曾有みそうなもの、唯一なものが、覿面にそれを見てゐる人の心を、どんなに動かし狂はすかといふことも、とても想像せられまい。
うづしほ (新字旧仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
宝暦年中平賀鳩渓きうけい(源内)火浣布をはじめてせいし、火浣布考くわくわんふかうあらはし、和漢の古書を引、本朝未曾有みそう奇工きこうほこれり。ぼつしてのち其術そのじゆつつたはらず、好事家かうづか憾事かんじとす。
そののち白に関する甲州だよりは此様な事を報じた。笛吹川ふえふきがわ未曾有みそうの出水で桃林橋が落ちた。防水護岸の為一村いっそんの男総出で堤防にむらがって居ると、川向うの堤に白いものゝ影が見えた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
その未曾有みそうだと云ふ事、先例がないと云ふ事が如何いかがはしいです。そこで余程用心をしなくては行けません。先づ暫くその儘にして置くですな。その場にぢつとしてをらせて、暫く時期を待つですな。
殺したりとてさじさへ持ば解死人げしにんには取れずかゝ家業かげふは又となし只醫者らしく見せかけるのと詞遣ことばつかひさへ腹に這入はひれば別に修行しゆぎやういるものぞと藥種やくしゆの名などちとづつおぼえ醫者にならんと思ひこみ奸才邪知かんさいじやち曲者くせものにて後年おのれ罪惡ざいあくあらはれし時申ちんじて人に塗付ぬりつけ天下未曾有みそう名奉行めいぶぎやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
古来未曾有みそうの惨事たる本件に関し、審問を受けたる者数人あり。何人の告条も本件に光明を投射するに足らずと雖、左に一々これを列記せんとす。
宝暦年中平賀鳩渓きうけい(源内)火浣布をはじめてせいし、火浣布考くわくわんふかうあらはし、和漢の古書を引、本朝未曾有みそう奇工きこうほこれり。ぼつしてのち其術そのじゆつつたはらず、好事家かうづか憾事かんじとす。