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暗碧
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あんぺき
ふりがな文庫
“
暗碧
(
あんぺき
)” の例文
西瓜もそのころには
暗碧
(
あんぺき
)
の皮の黒びかりしたまん
円
(
まる
)
なもののみで、西洋種の細長いものはあまり見かけなかった。
西瓜
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
或晩ふと眼を
醒
(
さま
)
すと、窓の障子が明るかった。戸を開けて見ると、雲が晴れて、空は
暗碧
(
あんぺき
)
だ。古沼に浮いた鏡のように青い月が出た。銀光が
戦
(
おのの
)
き戦き泳いで来る。
抜髪
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また
暗碧
(
あんぺき
)
に
白布
(
しろぬの
)
を織って矢を射るように里へ出るのじゃが、その巌にせかれた方は六尺ばかり、これは川の
一幅
(
ひとはば
)
を
裂
(
さ
)
いて糸も乱れず、一方は幅が狭い、三尺くらい
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それは
尾久
(
おく
)
の
渡
(
わたし
)
あたりでもあったろうか、のんどりした
暗碧
(
あんぺき
)
なその水の
面
(
おも
)
にはまだ真珠色の空の光がほのかに差していて、静かに
漕
(
こ
)
いでゆく
淋
(
さび
)
しい舟の影が一つ二つみえた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
星が
燦
(
きらめ
)
き出した。其の光は鋭く其の形は大きくて、
象徴的
(
しやうちようてき
)
な絵で見る如く正しく五つの
角々
(
かど/\
)
があり得るやうに思はれる。空は澄んで
暗碧
(
あんぺき
)
の色は飽くまで濃い。
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
又
(
また
)
暗碧
(
あんぺき
)
に
白布
(
しろぬの
)
を
織
(
お
)
つて
矢
(
や
)
を
射
(
ゐ
)
るやうに
里
(
さと
)
へ
出
(
で
)
るのぢやが、
其
(
その
)
巌
(
いは
)
にせかれた
方
(
はう
)
は六
尺
(
しやく
)
ばかり、
之
(
これ
)
は
川
(
かは
)
の一
巾
(
はゞ
)
を
裂
(
さ
)
いて
糸
(
いと
)
も
乱
(
みだ
)
れず、一
方
(
ぱう
)
は
巾
(
はゞ
)
が
狭
(
せま
)
い、三
尺
(
じやく
)
位
(
ぐらゐ
)
、この
下
(
した
)
には
雑多
(
ざツた
)
な
岩
(
いは
)
が
並
(
なら
)
ぶと
見
(
み
)
えて
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
暗
常用漢字
小3
部首:⽇
13画
碧
漢検準1級
部首:⽯
14画
“暗碧”で始まる語句
暗碧色