是非共ぜひとも)” の例文
私は今度からだ腫物できものが出来たので、これは是非共ぜひとも、入院して切開をしなければ、いけないと云うから、致方いたしかたなく、京都きょうとの某病院へりました。
死体室 (新字新仮名) / 岩村透(著)
彼らは是非共ぜひとも学者文学者の云う事に耳を傾けねばならぬ時期がくる。耳を傾けねば社会上の地位がたもてぬ時期がくる
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
三五郎は否々いや/\何にしても此度は是非共ぜひともかしくれよ翌日あすにも仕合しあはせよければ返すべしとて何分承知せざれば段右衞門も心中に思ふやう彼奴かやつが身に惡事のあるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
中途で横取りしてしまふことよう分つてるのですもの、是非共ぜひともあなたに読んでいただかう思ふたらかうするよりほかないのですもの、けれど安心して下さいませ
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
申自身番にて新藤市之丞などといふ六ヶ敷むづかしきの人は紙屑買かみくづかひにはあるべからず大方おほかた浪人者らうにんもの間違まちがひなるべしと云ゆゑ文右衞門は當惑たうわくなせしかど是非共ぜひとも尋ねて金子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そんなことから、私はだれも手を染めないうちに、自分が是非共ぜひともその材料をこなしてみたいと思っていた。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
きかずに打笑ひさうでもあらうが若旦那とはちがつて吾儕わしのはものくはぜにもやる故是非共ぜひとも
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)