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敷瓦
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しきがわら
ふりがな文庫
“
敷瓦
(
しきがわら
)” の例文
そうしてそれがことごとく
敷瓦
(
しきがわら
)
で敷きつめられている模様が、何だか支那の御寺へでも行ったような沈んだ心持を僕に与えました。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、物悲しい戦争の空気は、
敷瓦
(
しきがわら
)
に触れる拍車の音にも、
卓
(
たく
)
の上に脱いだ
外套
(
がいとう
)
の色にも、至る所に
窺
(
うかが
)
われるのであった。
将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
勿論
(
もちろん
)
俳味を
専
(
もっぱら
)
とする処から大きな
屏風
(
びょうぶ
)
や大名道具には
札
(
ふだ
)
を入れなかったが
金燈籠
(
きんどうろう
)
、
膳椀
(
ぜんわん
)
、
火桶
(
ひおけ
)
、
手洗鉢
(
ちょうずばち
)
、
敷瓦
(
しきがわら
)
、
更紗
(
さらさ
)
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
Ⅻ
敷瓦
(
しきがわら
)
。陶器。藍絵。魚釣の図。
和蘭
(
オランダ
)
デルフト。四寸二分角。厚み三分。著者蔵。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
点々と、熊の歩いたやうな泥沓のあとが、柱廊の
敷瓦
(
しきがわら
)
のうへにつづいてゐる。
春泥:『白鳳』第一部
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
▼ もっと見る
桔梗
(
ききょう
)
や
紫苑
(
しおん
)
の紫はなお
鮮
(
あざや
)
かなのに、早くも盛りを
過
(
すご
)
した
白萩
(
しらはぎ
)
は泣き伏す女の乱れた髪のように四阿屋の
敷瓦
(
しきがわら
)
の上に流るる如く倒れている。生き残った虫の
鳴音
(
なくね
)
が露深いその
蔭
(
かげ
)
に糸よりも細く聞えます。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
いろいろの
艶
(
なまめか
)
しい身の投げ
態
(
ざま
)
をした若い女たちの身体の線が如何にも柔く豊かに見えるのが、自分をして丁度、宮殿の
敷瓦
(
しきがわら
)
の上に
集
(
つど
)
う
土耳其
(
トルコ
)
美人の
群
(
むれ
)
を描いたオリヤンタリストの油絵に対するような
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
黒ずんだ
敷瓦
(
しきがわら
)
を赤く色付け
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
敷
常用漢字
中学
部首:⽁
15画
瓦
常用漢字
中学
部首:⽡
5画
“敷”で始まる語句
敷
敷居
敷島
敷衍
敷布
敷石
敷物
敷居際
敷蒲団
敷詰