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撼
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うごか
ふりがな文庫
“
撼
(
うごか
)” の例文
伊良湖の村に入る一里ほど手前あたりまで行くと、その小さな山脈は漸く尽きて、その隙間から、太平洋の怒濤が地を
撼
(
うごか
)
すやうにきこえて来た。
伊良湖岬
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
他の生命に触れ、揺すり、
撼
(
うごか
)
し、抱き、一つに融けようとして
喘
(
あえ
)
いだ。そしてその結果は自他ともに傷ついたのである。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
喝采の聲は
屋
(
いへ
)
を
撼
(
うごか
)
せり。幕下りて後も、アヌンチヤタ、アヌンチヤタと呼ぶ聲止まねば、歌女は
面
(
おもて
)
を幕の外にあらはして、謝することあまたゝびなりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
猶答へざりけるを、軽く肩の
辺
(
あたり
)
を
撼
(
うごか
)
せば、貫一はさるをも知らざる
為
(
まね
)
はしかねて、始めて目を開きぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
しかし当時抽斎を揺り
撼
(
うごか
)
して
起
(
た
)
たしめたものは、
独
(
ひとり
)
地震のみではなかった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
外には
烈風
(
はげしきかぜ
)
怒
(
いか
)
り
号
(
さけ
)
びて、樹を鳴し、
屋
(
いへ
)
を
撼
(
うごか
)
し、砂を
捲
(
ま
)
き、
礫
(
こいし
)
を飛して、曇れる空ならねど吹揚げらるる
埃
(
ほこり
)
に
蔽
(
おほは
)
れて、一天
晦
(
くら
)
く乱れ、
日色
(
につしよく
)
黄
(
き
)
に濁りて、
殊
(
こと
)
に
物可恐
(
ものおそろし
)
き夕暮の
気勢
(
けはひ
)
なり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
輪転機関の
屋
(
いえ
)
を
撼
(
うごか
)
す音と職工の臭い汗との交った細い間を通って、事務室の人々に軽く
挨拶
(
あいさつ
)
して、こつこつと長い狭い
階梯
(
はしご
)
を登って、さてその
室
(
へや
)
に入るのだが、東と南に明いたこの室は
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
須臾
(
しゆゆ
)
にして波濤
洶々
(
きよう/\
)
の音漸く高く、風力の衝突は頻りに全屋を
撼
(
うごか
)
せり。我とポツジヨとは
偕
(
とも
)
に戸外に出でゝ
瞻望
(
せんばう
)
したり。時に夕陽は震怒したる海の暗緑なる水を射て、大波の起る處雪花亂れ
翻
(
ひるがへ
)
れり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
黄
(
きいろ
)
い小さな花、紫色をした龍胆に似た花、白く叢を成して咲いてゐる花、運が好いと、
真紅
(
まつか
)
な美しい撫子の一つ二つをその中から捜すことは出来た。波の音は地を
撼
(
うごか
)
すやうに絶えずきこえて来てゐた。
磯清水
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
波の音が
屋
(
いへ
)
を
撼
(
うごか
)
すばかりに高く高くきこえて来た。
波の音
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
撼
漢検1級
部首:⼿
16画
“撼”を含む語句
震撼
喧騒震撼
撼動
撼揺
震撼的