“物可恐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ものおそろ50.0%
ものおそろし50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
物可恐ものおそろしげなる沢の名なるよ。げに思へば、人も死ぬべき処の名なり。我も既に死なんとせしがと、さすがうつつの身にもむ時、宮にはあらで山百合やまゆりの花なりし怪異を又おもひて、彼は肩頭かたさき寒くふるひぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
外には烈風はげしきかぜいかさけびて、樹を鳴し、いへうごかし、砂をき、こいしを飛して、曇れる空ならねど吹揚げらるるほこりおほはれて、一天くらく乱れ、日色につしよくに濁りて、こと物可恐ものおそろしき夕暮の気勢けはひなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)