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捲込
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まきこ
ふりがな文庫
“
捲込
(
まきこ
)” の例文
世界大戦後、経済界の恐怖に
捲込
(
まきこ
)
まれて真佐子の崖邸も、手痛い財政上の
打撃
(
だげき
)
を受けたという評判は崖下の復一の家まで伝わった。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それにあのくるくると巻かれた口、あの口は
慥
(
たしか
)
にこの世のものではありません。あれは悪魔の口です、恐ろしい因果を
捲込
(
まきこ
)
んだ口なんですよ
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
父の
人格
(
ひとがら
)
がすこし変ったのは、中年過ぎて男の子が出来てから、母の狂愛に
捲込
(
まきこ
)
まれてからだった。私につぶやいてきかせたころは、実に好きな父だった。
旧聞日本橋:15 流れた唾き
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「家なぞはどうでも可い」とよく
往時
(
むかし
)
思い思いした正太ではあるが、いざ
旧
(
ふる
)
い家が
壊
(
こわ
)
れかけて来たと成ると、自分から進んでその波の中へ
捲込
(
まきこ
)
まれて行った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
翌日番町へ行ったら、岡田一人のために
宅中
(
うちじゅう
)
騒々しく
賑
(
にぎわ
)
っていた。兄もほかの事と違うという意味か、別に
苦
(
にが
)
い顔もせずに、その
渦中
(
かちゅう
)
に
捲込
(
まきこ
)
まれて黙っていた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
二番さんだの八番さんだのという番号附けになってる俗物共の競争圏内に
不覚
(
つい
)
捲込
(
まきこ
)
まれて了った。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
政宗は政宗だ、誰に遠慮がいろうか。元来政宗は又人に異った一
ト
気象が有った者で、茶の湯を学んでから、そこは如何に政宗でも時代の風には
捲込
(
まきこ
)
まれて、千金もする茶碗を買った。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
男と女で争うなぞはクダラナいことだ、こう思いながら、知らず知らず彼はその中へ
捲込
(
まきこ
)
まれて行った。
何時
(
いつ
)
まで経ったら、夫と妻の心の顔が
真実
(
ほんとう
)
に合う日が有るだろう。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
又
捲込
(
まきこ
)
まれざるを得ないのは、半襟二掛ばかりの
効能
(
ききめ
)
じゃ三日と持たない。
直
(
すぐ
)
消えて又元の木阿弥になる。二掛の半襟は惜しくはないが、もう斯うなると、
勢
(
いきおい
)
に乗せられた吾が承知せぬ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
三吉が過去の悲惨であったも、
曾
(
かつ
)
てこういう
可畏
(
おそろ
)
しい波の中へ
捲込
(
まきこ
)
まれて行ったからで——その為に彼は若い志望を
擲
(
なげう
)
とうとしたり、落胆の極に沈んだりして、多くの暗い年月を送ったもので有った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
捲
漢検準1級
部首:⼿
11画
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“捲”で始まる語句
捲
捲毛
捲土重来
捲上
捲起
捲立
捲髪
捲付
捲揚機
捲舌