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挽臼
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ひきうす
ふりがな文庫
“
挽臼
(
ひきうす
)” の例文
現に離れ島や九州の外側海岸などには、今も豆腐は知っていても、家にはまだ
挽臼
(
ひきうす
)
を備えない例が稀なりとせぬ。『
炭俵
(
すみだわら
)
』の連句に
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
けれど小林は
挽臼
(
ひきうす
)
のように動かなかった。母は諦めたように独りで麻糸つなぎの内職をしていた。そのうち母さえもそれを
止
(
や
)
めてしまった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
もし
粟粒
(
あわつぶ
)
にして
挽臼
(
ひきうす
)
の下にあって考うることをするならば、それは疑いもなくジャン・ヴァルジャンが考えていたと同じことを考えるであろう。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
『まあ、なんて気味のわるいひとなんでせう。とつぜん顔なんか出してさ、
挽臼
(
ひきうす
)
にいれて粉にしてしまひますよ』
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
表の戸はまだ閉まっていたが、豆腐屋儀助の夫婦は、もう
寝床
(
とこ
)
を離れていた。豆の
挽臼
(
ひきうす
)
のそばへ、儀助は
燈火
(
あかり
)
をかかげて、女房は土間の中の井戸水を寒々と
汲
(
く
)
んでいた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
時しもありけれ、魯智深が、
大
(
おおい
)
なる
挽臼
(
ひきうす
)
のごとき、五分刈頭を、天井にぐるりと廻して
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
思ひ出は
糓倉
(
こくぐら
)
の
挽臼
(
ひきうす
)
の上に
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
いわく石の
挽臼
(
ひきうす
)
、いわく入口右手の
地唐臼
(
じからうす
)
である。この新旧の雑居がおかしいと思うと、村にはさらに第五種の
賃舂
(
ちんつ
)
き臼屋があるという。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
俺
(
おれ
)
たちは袋の中のものに責任を負えるかい。たくさんの穀類がはいってるのを、一々より分けておられるものじゃねえ。ただ
挽臼
(
ひきうす
)
の中につぎ込むばかりだ。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
餅
(
もち
)
や
団子
(
だんご
)
も同様に、簡便なる石の
挽臼
(
ひきうす
)
の普及に助けられたので、古風な規則正しい
田舎
(
いなか
)
の生活が、外部の影響に勝てなかった弱味も
爰
(
ここ
)
にあった。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ふたりの悪漢は膝に押さえつけられて、ちょうど
花崗石
(
かこうせき
)
の
挽臼
(
ひきうす
)
の下になったようにうめき声を出した。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
杵
(
きね
)
が今のように大きくなるまでは、餅も粉にしてから搗くのが普通であり、粉も
挽臼
(
ひきうす
)
の普及するまでは、やはり水に浸してから臼に入れて搗いていた。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
石の
挽臼
(
ひきうす
)
が
弘
(
ひろ
)
く行われるまでは、麦類はかえって
生粉
(
なまこ
)
には向かず、主としては
屑米
(
くずまい
)
・砕け米等の飯にはならぬもの、次には
蕎麦
(
そば
)
などが盛んに粉にはたかれていた。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
挽
漢検準1級
部首:⼿
10画
臼
常用漢字
中学
部首:⾅
6画
“挽”で始まる語句
挽
挽回
挽歌
挽割
挽物
挽子
挽割麦
挽茶
挽割麥
挽肉