愚圖々々ぐづ/\)” の例文
新字:愚図々々
私は、私の欲望をみたしてくれるものが一つもない、かうした處にこの上愚圖々々ぐづ/\は出來ない。私は立上つた、そして今迄ゐた寢床を見返つた。
こんなところ愚圖々々ぐづ/\してゐるより、はや東京とうきやうかへつて其方そのはう所置しよちけたはうがまだ實際的じつさいてきかもれない。ゆつくりかまへて、御米およねにでもれるとまた心配しんぱいえるだけだとおもつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
『どうしておまへさんは、そんなに愚圖々々ぐづ/\してるんですか。』
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ついとこのうちで愚圖々々ぐづ/\してゐるうちに、時間じかん遠慮ゑんりよなくぎて、えゝ面倒めんだうだ、今日けふめにして、そのかは今度こんだ日曜にちえうかうとおもなほすのが、ほとんど惰性だせいやうになつてゐる。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)