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惚
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とぼ
ふりがな文庫
“
惚
(
とぼ
)” の例文
さあいよいよだ、とぎょっとしたけれど、何時頃にと、
惚
(
とぼ
)
けて尋ねますと、ちょうど刻限が合ってるんで。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あんな大声で呼んだのに
空
(
そら
)
っ
惚
(
とぼ
)
けた真似をするな、この礼儀知らずの素町人め」「大層御立腹ですな」
入婿十万両
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
お
惚
(
とぼ
)
けなすってはいけませんよ、何だとえ親の行方が知れないから、お前さんは自分の娘にしたとお云いだが、それが立派なお百姓さんの御挨拶でございますかえ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そない
図星
(
ずぼし
)
刺されたらもう
惚
(
とぼ
)
けること
出来
(
でけ
)
しませんけど、そいでも真っ青になりながら黙ってますと、「きっとそうに違いないやろ? なんでそれいうてくれへん」
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「いよう、先生!」わざと
惚
(
とぼ
)
けた顔つきをしてみせながら、「よくこの電車でお目にかかるじゃアございませんか——さては、何かいい巣でもこッちの方にできました、な?」
猫八
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
▼ もっと見る
津田は
空
(
そら
)
っ
惚
(
とぼ
)
ける事の得意なこの相手の前に、
真面目
(
まじめ
)
な返事を与える子供らしさを超越して見せなければならなかった。同時に何とかして、ゴツンと
喰
(
くら
)
わしてやりたいような気もした。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
空っ
惚
(
とぼ
)
けているのかどうか、たべる方に余念もないと云う様子で、即席のサンドウィッチを
拵
(
こしら
)
えるのにかまけている彼女は、縦に二つに切ってある
酢漬
(
すづけ
)
の
胡瓜
(
きゅうり
)
を細かに
刻
(
きざ
)
んでは
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
お
惚
(
とぼ
)
けなすっちゃアいけません、ありゃ私の娘だよ、
私
(
わた
)
しア三田の三角のあだやと云う引手茶屋のおかくという婆アだが、あれは私の大事な
金箱娘
(
かねばこむすめ
)
、此の二月大火事の時深川を焼出され
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
空
(
そら
)
ッ
惚
(
とぼ
)
けちゃいけません。あったらあったと、
判然
(
はっきり
)
おっしゃいな、男らしく」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
角「お
前
(
めえ
)
さん
惚
(
とぼ
)
けたって
無益
(
だめ
)
だよ、おかめ此処へ来て
一寸
(
ちょいと
)
お目にかゝれ」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
小林は
惚
(
とぼ
)
けた顔をしてすまし返った。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
惚
漢検準1級
部首:⼼
11画
“惚”を含む語句
恍惚
自惚
己惚
見惚
岡惚
恍惚境
活惚
寝惚
聞惚
惚々
空惚
寝惚眼
寝惚声
惚込
寐惚
自惚家
寢惚
惚合
相惚
男惚
...