トップ
>
悽
>
すさま
ふりがな文庫
“
悽
(
すさま
)” の例文
だが、竹之丞もお艶も、まだ、
路傍
(
みちばた
)
から起き上らなかった。内蔵助の前には、合羽の男よりは、むしろ
悽
(
すさま
)
じい血相をした三名の浪人が、
鐺
(
こじり
)
をそろえて、
睨
(
ね
)
めつけているのだ。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
翌日
(
よくじつ
)
、
雨
(
あめ
)
の
晴間
(
はれま
)
を
海
(
うみ
)
に
行
(
ゆ
)
く、
箱根
(
はこね
)
のあなたに、
砂道
(
すなみち
)
を
横切
(
よこぎ
)
りて、
用水
(
ようすゐ
)
のちよろ/\と
蟹
(
かに
)
の
渡
(
わた
)
る
處
(
ところ
)
あり。
雨
(
あめ
)
に
嵩増
(
かさま
)
し
流
(
なが
)
れたるを、
平家
(
へいけ
)
の
落人
(
おちうど
)
悽
(
すさま
)
じき
瀑
(
たき
)
と
錯
(
あやま
)
りけるなり。
因
(
よ
)
りて
名
(
な
)
づく、
又
(
また
)
夜雨
(
よさめ
)
の
瀧
(
たき
)
。
逗子だより
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それから
時々
(
とき/″\
)
悽
(
すさま
)
じい
音
(
おと
)
がしたり、
宛
(
まる
)
で
皿
(
さら
)
や
鍋
(
なべ
)
が
粉々
(
なこ/″\
)
に
打碎
(
うちくだ
)
かれるやうに。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
どどどど——と
悽
(
すさま
)
じく暴れる音が起った。誰か、炭部屋のうちへ入ったのかと思ったが、そうではなかった。ただ一人残っている者が、何処かを破壊しようとして、盲目的に動いているものらしい。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
悽
漢検1級
部首:⼼
11画
“悽”を含む語句
悽愴
悽惨
悽然
悽惻
幽悽
悽々
悽惆
悽惶好仇
悽文句
悽気
悽而
悽艶
悽風
昭明焄蒿悽愴
骨立悽愴