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御免成
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ごめんなさ
御免成れて下さりませと申ければ原田
否何も林藏に惡事が
有と云では
無是へ
來さへすれば分ることゆゑ
格別に
案じるに及ばずと云に女房ハイ
其は
有難う
存じます
併し
日頃から
妾しが
異見を
來りしや
先此方へ
這入られよと云ふに初瀬留は
御免成れと戸口を入り
漸々に
胸撫下し餘りの
御懷しさに
今宵廓を
逃亡して此處へ來りしと
物語りなど彼是なす中程なく夜も
明るにぞ喜八は
起出引窓を
した上は
嘸かし
氣勞れも
有う程に
今宵は早く
休むがよい
己も今夜は
早寢にせんと云ば十兵衞は
然樣ならお先へ
臥ります
御免成れと挨拶し
臥戸へこそは入にけれ跡に長庵
工夫を
凝し彼の五十兩の金を