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引手茶屋
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ひきてぢゃや
ふりがな文庫
“
引手茶屋
(
ひきてぢゃや
)” の例文
弁天町の
中通
(
なかどおり
)
に一軒
引手茶屋
(
ひきてぢゃや
)
の売物があって、買ってもらい、商売をはじめたので空家になり、また貸札でも出そうかという処へ娘のお縫。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
水道尻の方から寝静った
廓
(
くるわ
)
へ入ったので、角町へ曲るまでに
仲
(
なか
)
の
町
(
ちょう
)
を歩みすぎた時、
引手茶屋
(
ひきてぢゃや
)
のくぐり戸から出て来た二人の芸者とすれちがいになった。
草紅葉
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
あたしは震災の幾年か前、ある怪談会が吉原水道
尻
(
じり
)
の
引手茶屋
(
ひきてぢゃや
)
で催された時にいって、裏の方から
妓楼
(
ぎろう
)
の窓を見たことがある。そこにも金網が張ってあった。
旧聞日本橋:05 大丸呉服店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
五百は即時に人を諸方に
馳
(
は
)
せて捜索せしめた。優善の所在はすぐに知れた。初午の
夜
(
よ
)
に無銭で吉原に
往
(
ゆ
)
き、翌日から
田町
(
たまち
)
の
引手茶屋
(
ひきてぢゃや
)
に潜伏していたのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
四谷辺では新宿の貸座敷の近所にある
引手茶屋
(
ひきてぢゃや
)
や料理茶屋の奥二階を会場にきめて、毎日のように勝負を争っていましたが、そういう所では人の目について悪いというので
蜘蛛の夢
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
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或る新聞小説家が吉原へ行っても女郎屋へ行かずに
引手茶屋
(
ひきてぢゃや
)
へ上って、十二、三の女の子を集めてお手玉をしたり
毬
(
まり
)
をついたりして無邪気な遊びをして帰るを真の通人だと称揚していた。
斎藤緑雨
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
お時が案じていた通り、外記は丁度そのころ吉原の
駿河屋
(
するがや
)
という
引手茶屋
(
ひきてぢゃや
)
に酔っていた。
箕輪心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
長尾の
女
(
むすめ
)
敬の夫三河屋力蔵の開いていた
猿若町
(
さるわかちょう
)
の
引手茶屋
(
ひきてぢゃや
)
は、この年十月に
新富町
(
しんとみちょう
)
に
徙
(
うつ
)
った。
守田勘弥
(
もりたかんや
)
の守田座が二月に府庁の許可を得て、十月に開演することになったからである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
半日に一枚の
浴衣
(
ゆかた
)
をしたてあげる内職をしたり、あるおりは
荒物屋
(
あらものや
)
の店を出すとて、自ら買出しの荷物を
背負
(
せお
)
い、ある
宵
(
よい
)
は
吉原
(
よしわら
)
の
引手茶屋
(
ひきてぢゃや
)
に手伝いにたのまれて、台所で御酒のおかんをしていたり
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
江戸めずらしいこのひと群れは
誰也行燈
(
たそやあんどう
)
の
灯
(
ほ
)
かげをさまよって、浮かれ烏の
塒
(
ねぐら
)
をたずねた末に、
仲
(
なか
)
の
町
(
ちょう
)
の立花屋という
引手茶屋
(
ひきてぢゃや
)
から送られて、
江戸町
(
えどちょう
)
二丁目の
大兵庫屋
(
おおひょうごや
)
にあがった。
籠釣瓶
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
茶
常用漢字
小2
部首:⾋
9画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“引手”で始まる語句
引手繰
引手
引手数多
引手奪
引手夥多
引手金具