庇様かげさま)” の例文
「はあ、お庇様かげさま大分だいぶほうで……。何、大丈夫だとお医者も云って居ますが……。何しろ、一時はきもを潰しましたよ。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「何んともハイしんせつに言わっせえて下せえやして、お庇様かげさまで、わし、えれえ手柄てがらして礼を聞いたでござりやすよ。」
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
真個ほんとうにそうなりましたら、どうしましょう。お庇様かげさまたすかりましてございますよ。ありがとう存じます。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何しろ、お庇様かげさま種々いろいろの興味ある発見をました。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「滝さん、それでこそお前さんだ、ああ、富山じゃあい事をした、お庇様かげさま発程栄たちばえがする。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「どうもありがとう——尋ねたいにも人通りがないので困っていました。——お庇様かげさまで……」
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
庇様かげさまで、ここん処、ずっと売切っております。いえ、お場所は出来ます。いえ、決して無理はいたしません。そのかわり、他様ほかさま入込いれごみで、ご不承を願うかも知れません。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それでも大事にして置かないと、院長は家中うちじゅうの稼ぎ人で、すっかり経済を引受けてるんだわ。お庇様かげさまで一番末の妹の九ツになるのさえ、早や、ちゃんと嫁入支度が出来てるのよ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
心掛ここころがけい、勉強家で、まあ、この湯治場は、お庇様かげさまとお出入でいりさきで稼ぎがつきます。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「余りそうでもありません。しかしまあ、お庇様かげさま、どうにか蚊帳もありますから。」
女客 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
庇様かげさまでどうやら助りました。もう退院をしまして宜しいそうで、後の保養は、河野さんの皆さんがいらっしゃる、清水港の方へ来てしてはどうか、と云って下さいますから、参ろうかと思います。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
庇様かげさまを持ちまして、女の子は撫切なでぎりだと、呵々からからと笑う大気焔だいきえん
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(お庇様かげさまで、この頃の悪い陽気にも障らなくなりましたよ。)
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「お庇様かげさまで。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)