平馬へいま)” の例文
いわゆる「平馬へいま返り」ではないにしても、年八十を越えたこの老優が実盛物語の瀬尾で落入りにトンボを切る(でんぐる返しを打つ)のは、悲壮です。
役者の顔 (新字新仮名) / 木村荘八(著)
の春部というものは、お小姓頭を勤め十五石三人扶持を領し、秋月のおいで、梅三郎うめさぶろうという者でございます。お目附の甥だけに羽振が宜しく、おとっさまは平馬へいまという。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
見物なしあとより追付んとて平馬へいま願山ぐわんざんたもとを分ちやが泉州せんしうさかひを心指して行けるに日の中は世間をはゞかるにより夜に入りて伏見ふしみより夜船よふね打乘うちのり翌朝よくてう大坂八軒屋けんやへ着茲にて緩々ゆる/\と休み日のくるるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かつての加藤於虎おとら、福島於市おいち脇坂甚内わきざかじんない、片桐助作すけさく、平野権平ごんぺい、大谷平馬へいま、石田佐吉などのいわゆる子飼こがいの子どもたちも、いまはことごとく二十四、五から三十近い若者となり、殊にしずたけこのかたは
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「永井和泉守様は二年前に亡くなり、跡取りの鉄三郎様が三年前から行方ゆくえ知れずで、今は和泉守様の遠い伯父平馬へいま様というのが後見格で、主人同様に振舞っていますよ。平馬様の子の平太郎という方が跡目相続するそうで——」
「大谷平馬へいま様にお目にかかりたいのでございますが……」
大谷刑部 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
せんとて日野家へ承まはるべき儀有之候間安田平馬へいま佐々木靱負ゆきへの兩人當役所へ差出さるべしと達しられしかば日野家に於ては何ごとならんと怪しまれしが安田佐々木の兩人はかねおぼえのあることなれば素知そしらぬ面は爲すものゝ心中に南無三ばうと思ひ其夜ひそかに兩人并びに願山とも申合せ跡を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「おウいっ。平馬へいまやある」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平馬へいま?」
大谷刑部 (新字新仮名) / 吉川英治(著)